感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Cambel
20
小児がん専門の医師が書いたがん闘病記。勝手なイメージでは、冷静に予後を受け入れ、淡々とガイドラインに従った治療を行うものと思っていた。しかし実際は、専門が違えばわからないことは多く、再発の不安も大きく、痛み苦痛が強い定期検査を嫌がる。しかも開業医だから院長として、闘病しながらクリニックの運営のことも考えなければならない。そこには一般の患者と変わらない苦悩があって、読みながら一緒に苦しんでしまう。以前、小藪さんのポスターが炎上した「人生会議」は、不安や悩みを少しでも軽減するためにもっと広まっても良いと思う。2022/03/18
よちゃー
12
小児外科である筆者の膀胱がんの闘病日記。 血尿を出してから24時間たたずして癌の診断がついたのには驚いた。癌とわかってからの不安、手術日までの不安、再発の不安、抗がん剤の壮絶さ。癌になると手術して癌がとれたからオッケーというわけではなく、色んな不安と戦っていかなくてはならない。できるだけ日常生活を変えないようにというのもうなづける。不安で押しつぶされてしまうだろう。 最近職場の大好きな先輩が癌になり、来月手術になった。少しでも先輩の気持ちに寄り添いたいと思って手に取った一冊。2022/05/02
k sato
9
患者の気持ちは、当事者にならないと分からない。医師なのにいざ病気になると臆病になる。医師と患者を経験した50代小児外科医の膀胱がん闘病記。「もっと患者の心がわかる人間に成長しよう」と気付いた著者に拍手を贈りたい。著者は、「がんを経験すると、自分の体の不調を悪いものに結び付けて考えてしまう」というが、それは患者あるあるだ。がん患者に限らず、病人の心は脆い。闘病中も診療所を経営した著者には脱帽するが、「少し無理をしたほうがいい」という主張には同意しかねる。休むときは休め。勤め人は体を労わる社会を目指そう。2022/10/14
coldsurgeon
7
小児外科医が血尿を初期症状に膀胱がん(尿路上皮がん)と診断され,治療を受け続けた7年間の記録である。医師だからと言って最良の経過が期待できるわけではないが、その経過は最悪ではないものだった。膀胱がんが時間的・空間的に多発することを知った。闘病についてだけではなく,死の受容、医療における意志決定など,いろいろなことを考えさせられた。人は過去と未来に支えられて現在を生きているが、人とのかかわりは必須であり、自己は他者との関係性がなければ存在しない。患者は医療を選べるように思えて案外違う。医療者との出会いも運。2022/02/25
荒川ながれ
6
2021/12/15 医学書院 ジュンク堂池袋で購入 小児外科の医師が書いたがん闘病記。医師でも一般の患者と変わらない。当事者になれば論理的な思考ができなくなる。自分のがん治療の参考のため読んだ。実用書読むより、闘病記がわかりやすい。膀胱がんの基本がわかる。専門が違えばわからないこと。入院中に読んだ本で、西村賢太を読んだとのこと。手術はゴールではなく、通過点。手術後に読み直す。自分の場合は精神的苦痛だな。2022/04/04
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