出版社内容情報
べてるの家の「スタッフ用虎の巻」、大公開!
「幻覚&妄想大会」をはじめとする掟破りのイベントはどんな思考回路から生まれたのか? べてるの家のような場をつくるには、専門家はどう振る舞えばよいのか? 「当事者の時代」に専門家が〈できること〉と〈してはいけないこと〉を明らかにした、かつてない実践的「非」援助論。
*「ケアをひらく」は株式会社医学書院の登録商標です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
小鈴
21
べてる本は何冊も読んでいるがこちらも素晴らしい。病気であってもなくても開かれたコミニュケーションとは何かを知りたければ読むべきだ。先に読んだオープンダイアローグ(OD)に引き付ければ、モノローグからダイアローグへ転回する流れは「聴かない」ことの力を読めばよく分かるだろう。一方で、ODでは急性期に24時間以内にミーティングを行うが、べてるではそこまで体系化されていない。10年以上の引きこもり例もよくあるが、急性期に対応するようになったらどうなるだろうか。底つきするまで待つのがべてる流だが。2017/07/18
Koji Takahashi
12
【経験知の積み重ね】 マニュアル ルール メソッド これらで動こうとする人を信用しない。 自分の経験、考えで行動することなく そのくせ他人を管理し服従させようとしたがるからだ。 帯にある「私は何をしてこなかったか」の答えは 『管理と服従』ではないだろうか。 福祉の世界には少なからず「弱者の上に立つ快感」を職を選びキッカケにしている人がいる。もちろん口にはしないが、『無意識』がそう言っている。 2018/09/28
kokada_jnet
9
当事者に主体性をもたせての「当事者研究」の事例が多数紹介。「こと細かに話しを聞くより、問題意識もたせて、研究に巻き込む」という手法。当事者家族として非常に参考になり、勇気がわく。だが、この「当事者研究」は、研究仲間がまわりにたくさんいないと、難しいなあ。なぜが時代劇スタイルのイラストは、私はちょっと邪魔に思いました。2010/08/03
しゅんぺい(笑)
8
ずっと前から読みたかった、向谷地さんの『技法以前』。卒論のために読みました。 内容は、いささか哲学的で、示唆に富んでいる。 当事者が自分のためにもがいて苦しんで、自分の問題をどうにかしようとしている、その「主役である」感覚が大切なのかな、と。 目を開かされた、というか、自分もまだまだ臨床の奥深さを知らないな、と思った。何度も読んで、感じ取りたい本。2013/12/12
Koji Takahashi
7
《精神疾患は、人と繋がりづらい現代の病》 『聴き過ぎる』が今回拾ったキーワード。 「苦労を抱えている人(精神障害者)」の話を支援者が一対一で聴く「傾聴」では、聴いてもらっている感が無く、人と繋がりを感じない。 「仲間に聴いてもらう」ことで、仲間がいる安心感を持てるようになる。生きていても良いと自己肯定感を持つことができる。うんうんと一人で話を受け止めるより、仲間と時間、空間、そして苦労を共有することが真の意味での「聴くこと」かもしれない。 2021/09/25
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