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健康格差社会―何が心と健康を蝕むのか

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  • サイズ A5判/ページ数 197p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784260001434
  • NDC分類 498
  • Cコード C3047

出版社内容情報

《内容》 心と社会と健康はつながっている。近年、そんなエビデンスが蓄積されている。本書では、わが国でも広がる「健康格差」に注目。ゆき過ぎた経済格差社会は「負け組」だけでなく「勝ち組」の健康までも悪化させること、また人間同士の温かなつながりや信頼、安心感が健康を促進させる事実をデータで示す。健康社会実現のヒントに満ちた1冊。    

《目次》
I 社会と心と身体と
 1. 健康格差社会―何が心と健康を蝕むのか
 2. 生活習慣病対策と介護予防はなぜ難しい?
II 社会・人間関係と健康
 3. 生物・医学モデルを超えて―パラダイムとは何か
 4. 上位層は健康で,底辺層は不健康!?―社会経済状態と健康
 5. なぜ結婚や友達は健康によいのか―人間関係と健康
III 社会と健康をつなぐもの―心の大切さ
 6. なぜ学歴・職業・所得(社会経済的因子)が健康に影響するのか
 7. うつは心の風邪か―抑うつの重要性
 8. 「病は気から」はどこまで実証されているのか
  ―主観的健康観・心理・認知の重要性
 9. ポジティブな「生き抜く力」は命を救う―ストレス対処能力
IV 社会のありようと健康
 10. 人はまわりと比べて生きている―相対所得仮説
 11. コミュニティの力,再発見!―ソーシャル・キャピタル
 12. 介入すべきは個人か社会か―ハイリスク・ストラテジーの限界
V 社会と健康をめぐる課題
 13. 基礎科学としての社会疫学の課題
 14. 「健康によい社会政策」を考えよう
 15. 終章 社会疫学―社会のための科学・21世紀のための科学
初出一覧
あとがき
索引

内容説明

格差社会はなぜ健康に悪いのか?健康教育や介護予防はなぜうまく行かないのか?結婚はなぜ健康によいのか?健康によい社会・経済政策とは?生物・心理・社会モデルと社会疫学で解明する健康社会実現のヒントに満ちた本。

目次

1 社会と心と身体と(健康格差社会―何が心と健康を蝕むのか;生活習慣病対策と介護予防はなぜ難しい?)
2 社会・人間関係と健康(生物・医学モデルを超えて―パラダイムとは何か;上位層は健康で、底辺層は不健康!?―社会経済状態と健康;なぜ結婚や友達は健康によいのか―人間関係と健康)
3 社会と健康をつなぐもの―心の大切さ(なぜ学歴・職業・所得(社会経済的因子)が健康に影響するのか
うつは心の風邪か―抑うつの重要性
「病は気から」はどこまで実証されているのか―主観的健康観・心理・認知の重要性
ポジティブな「生き抜く力」は命を救う―ストレス対処能力)
4 社会のありようと健康(人はまわりと比べて生きている―相対所得仮説;コミュニティの力、再発見!―ソーシャル・キャピタル;介入すべきは個人か社会か―ハイリスク・ストラテジーの限界)
5 社会と健康をめぐる課題(基礎科学としての社会疫学の課題;「健康によい社会政策」を考えよう)

著者等紹介

近藤克則[コンドウカツノリ]
日本福祉大学教授・社会福祉学部。1983年千葉大学医学部卒業、千葉大学医学部公衆衛生学教室研究生、船橋二和病院リハビリテーション科長などを経て、1997年日本福祉大学助教授。2000年8月からUniversity of Kent at Canterburyの客員研究員、2003年から現職。医学博士、日本リハビリテーション医学会専門医・評議員。日本福祉大学21世紀COEプログラムB領域「先進国の福祉政策評価研究」コーディネーター。専門分野は社会疫学、医療サービス研究、医療経済学、政策科学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

きいち

16
冷静で着実な良書。まさに、基盤となる取り組みだ。◇「社会疫学」によって確かめられつつある<経済格差が健康に直結する>という事実。そのキャッチーな結果とはうらはらに、最前線で研究に取り組む著者自身が、その意義だけではなく政策に反映するまでの限界や課題を冷静に記述していく。◇目の前の社会問題は学術上の検証を待ってくれない、じゃあ、どうする?様々な分野で今皆が直面しているこの問題に向き合うのに、健康問題は最適だと思った。何といっても、価値観という面倒なファクターを比較的からませず、「事実」本位で闘えるのだから。2013/10/09

isao_key

8
2005年に出版された本書は、早くから健康格差について着目し実態を明らかにしている。「不平等が健康を損なう」でイタリア移民が多く住むロゼトを取り上げる。この町では心筋梗塞による死亡率が隣町の半分以下であった。タバコや運動習慣を比べるとほとんど差がなかった。目立った差は移民の人たちの連帯感で、格差を他人に見せつけず社会心理的なストレスを小さくする社会であった。しかし時代と共にロゼトにも消費文明が入り込み、社会格差は徐々に拡大し、勝ち組が見せつけるようになり連帯感が崩れ、ついに隣町との差はなくなってしまった。2018/09/17

twinsun

5
人間が自己充足でなく格差を愉しむがゆえの格差の広がり。今が善ければよい、自分だけが善ければよい、お金がすべて、分かち合うパイが限られていても、という世相の帰結であろう。2022/12/23

猫の毛

2
一部章だけ読んだ。生物・医学モデルからの転換が必要な点、社会格差が健康格差に繋がる点、など。面白いしわかりやすいが、同じ事を長々と書いているような印象もあり。2012/08/27

シソーラス

0
79ページ付近、心理的ストレスが諸臓器に影響を及ぼす経路の話が面白かった/経済力、格差、教育レベル...健康を論じるには要素が膨大で、何が原因で何が結果かを把握することは難しそう。ソーシャル・キャピタルも言わんとすることの方向性はぼんやりと分かったけれど、自分も現段階では直感的に「社会経済的因子の影響(p.145)」としか思えない。経済的に豊かで、知的水準が高い地域なら、犯罪をする人も少ないだろうし、気前もいい人が多い(互助意識が高い)だろうし、、、当たり前のことなのでは?と思った。 2017/01/28

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