内容説明
多くの野菜は海を経て、遠き外国の地より日本列島にたどりついた。それらは各地の気候風土に合わせ姿を変え、人の手により独特の品種に固定化されていった。―本書は、いまを生きるふるさと野菜と土地の人々をめぐる物語。
目次
じげもん野菜―長崎「黒田五寸ニンジン」
「味の箱舟」に選ばれて―長崎「雲仙こぶ高菜」
外国語になったTEIKEI―長崎「レストラン・自然の味とるーす」
安全への信頼―「熊本一文字」
無農薬野菜の店―熊本「家庭料理の店・ティア」
海のそばで育つトマト―熊本「塩トマト」
復活への模索―佐賀「女山大根」
野菜づくりから加工まで―福岡「山汐菜」
原種を守りながら―山口「笹川錦帯白菜・岩国赤大根」
消えゆく種子を救え―広島「農業ジーンバンク」〔ほか〕
著者等紹介
さとうち藍[サトウチアイ]
1952年長崎市生まれ。自然とそこに生きる人々をテーマに取材、執筆活動を続けている。現在は岩手県の山小屋と東京を行き来する日々(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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へへろ~本舗
2
種子法、F1への転換、高齢化、後継問題と在来品種の未来は暗いような気がする。頑張ってる人々はいるけど…。消費者も見目よく安価な野菜に飛び付かずに…と言いたいところだけど値段的な事は偉そうなことを言えない。ただ頑張って在来品種は絶やさないで欲しいと祈るばかりである。2023/06/19
Fみほ
0
2007年に出版された本です。いろいろな在来野菜が危機に瀕していることがわかります。その後、現在はどうなったのでしょう。もう無くなってしまったのではないかと危惧しています。兵庫の在来種保存会のように、一般市民が農地を借り、種とりをして次世代につなぐ活動が全国的に必要であると、改めて感じます。2016/09/21