内容説明
トップマネジメントをはじめ、役職員の人材を事業と経営の基本的な資源としている協同組合では、かねてから、経営者の能力やそのあり方が重要な問題として論じられてきた。しかし、この厳しい経営環境のなかでの経営危機を乗り越えるために、いま、新たな視角から経営者の問題を取り上げることが求められている。それは、優れた経営者を選び、その能力をさらに発揮させる、また無能な経営者を排除し、その腐敗を防いでいく―これらをもたらすような経営内部システムの確立との関連で、経営者問題を考えていくことである。
目次
第1章 日本企業のガバナンス問題と協同組合の特質
第2章 法制度からみたコーポレート・ガバナンス
第3章 協同組合の経営者支配とコーポレート・ガバナンス―農協と生協
第4章 協同組合における組合員の経営参加―利用者主導型経営のガバナンス
第5章 協同組合における情報開示
第6章 協同組合における職員の経営参加
第7章 協同組合の連合組織におけるコーポレート・ガバナンス―大学生協・地域生協・農協
第8章 協同組合とステークホルダー―地域生協を中心に
第9章 大規模農協におけるコーポレート・ガバナンス
第10章 巨大生協におけるコーポレート・ガバナンス―コープこうべを事例として