感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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**ネタバレ**単なるホラー小説ファンであった、当時小学生の私をクトゥルー神話の世界観に引き入れる契機となった作品です。作品こそ青心社の「クトゥルー」と被るものが多いですが、訳者が違うので趣が全く異なります。残念ながらクオリティー面では創元社には遠く及びません。しかし、青心社に対して少々ホラーの雰囲気が足りませんが、簡潔な為に読みやすさならダントツだと思います。個人的に手放せない1冊です。2012/04/30
丰
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Y-202005/05/29
flatscan
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敢えて古いのを狙って購入。クトゥルーでもクトゥルフでもなくクートゥリゥ表記なのが味わい深い。ロバート・ブロックのおそらく1936年の短編集をそのまま翻訳したものとみられる。翻訳のお陰か読みやすい。ラヴクラフト作品の焼き直し的な雰囲気が多い印象。全体としては悪くないし、雰囲気も好きなんだが。自分としては巻末の「顔のない神」は良作。いやもうひたすらネチネチと、主人公が狂気に苛まれる様が描かれてていい感じ。明確な何かが出現してるわけではないのも良い。恐怖を煽るならやっぱり、チラ見せ、寸止めが至高だと思われる。2025/04/20
aki
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カビ臭い雰囲気がええわあ。ブロックの短編集では一番好きかもしれない。デビュー早々の1930年代の作品を収録した怪奇短編集。ラヴクラフトの影響を受けているのは間違いないが、作風としてはマッケン、ブラックウッドが近いか。登場する怪物たち、悪神たちのスケールが小さくて泣ける。たとえば表題作に登場する「暗きもの」など神に匹敵する暗黒界の大立者かと思ったら、使い魔程度の小物にすぎなかった。「悪魔の傀儡」はディックやマキャモンら、いろいろな人が書いてるやつの元ネタかね。そういや、手塚治虫にもあったか。2022/02/26