内容説明
朝鮮戦争で最初の米軍の危機を救ったのは米空軍の力だった。とりわけ朝鮮海域の空母から発進したアメリカ海軍機の活躍はめざましかった。空母は波頭にもまれ、出撃すれば、爆撃範囲は一定の制限下におかれ、敵機と対空砲火はあなどれない。この苦闘の苦戦の記録。
目次
1 太平洋戦争後の海軍航空隊
2 緒戦―釜山ポケット地帯確保
3 勝利―そして後退
4 阻止攻撃と損耗
5 エア・プレッシャー
6 制空権をめぐる戦い
7 朝鮮戦争の遺産
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
YS-56
3
1950年、朝鮮半島で始まった戦争は、核軍拡で存在意義を問われていた空母に対して、新たな役割を与えました。空母は、長期間(それこそ海岸が見えるくらいの敵地近くの)作戦海域に留まり、連日航空隊を出撃させ、味方の支援を行うことができる能力があったのです。本書は、その海軍航空隊の苦闘の空戦記です。その中で、『技術レベルの低い輸送システムへの阻止攻撃は、目的を完全に達成することはできず、その達成は、物理的占領以外の方法はない。』という作戦評価仮報告が興味深いです。10数年後、ベトナムで同じ苦労をしているのだから。2011/07/21