内容説明
アメリカ軍の航空機は、ベトナム戦争で様々な政治思惑にふり回され、攻撃は常に一定の制限下におかれ、思いきった戦いができなかった。一方ベトナム側は、この間隙をぬって態勢を強化し、対空砲火は充実した。かくて両軍の地対空の戦いは死闘の連続となった。
目次
第1部 1964年
第2部 1965年
第3部 1966年
第4部 1967年
第5部 1968年
第6部 1969~71年
第7部 1972~73年
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スカイバニラ
3
ベトナム戦争に参加した米空軍ではなく、米海軍艦上攻撃機パイロットの証言集という珍しい本。A-4スカイホーク、A-6イントルーダー等のパイロットの話が主ですが、共通するのが「低空飛行はヤバイ」「対空陣地と勝負はするな」「くたばれマクナマラ」といった点でしょうか。空母での生活や空母航空団司令の仕事内容、捕虜になりどのような待遇を受けたか等、興味深いエピソードが満載でした。2010/07/20
鈴木誠二
1
アメリカにとって『ベトナム戦争』って、いったい何だったのか? という根本的な疑問に立ち返られる本でした。マクロ(大局的記述)とミクロ(パイロットたちの証言)の交錯した記述が実に刺激的。2019/08/06
きりまん次ゃ郎
0
トンキン湾事件から終戦までのベトナム戦争全期にわたる空母攻撃機パイロットたちの空戦史。南と北での戦い方の違い。脅威が高射砲から対空ミサイルへと移り変わる様や、北ベトナムでの過酷な捕虜生活。制限された目標や政府、海軍、あるいは同僚に対する批判や不満。戦闘機パイロットへの対抗意識。年を経ることにパイロットの質や戦意が喪失していく様子や、ベトナム人や本国での反戦運動への赤裸々までの本音等綴られている。多くのパイロットのインタビューで構成されているので、複数の視点からベトナム戦争の様子や戦争への考え方が読み取れる2014/03/29
Supopovich
0
「民間人に戦争を任せるのは軍人に農業を任せるくらい、最悪である。」本当にその通りだと思った。訳のわからんルールに縛られて、さぞやフラストレーションが溜まった事だろう。2024/03/05