内容説明
小説、俳句、短歌、流行歌、日記、報告書、新聞記事、宣伝文、演説、庶民のつぶやき―。おびただしい数の情報の中から選んだ一年ごとの短い言葉が百年間の日本の姿を浮き彫りにする。「天声人語」元筆者の渾身作。
目次
1901年―独立自尊迎新世紀
1902年―二百余名、今に帰営せず
1903年―日本、人のこと騒ぎます
1904年―君死にたまふことなかれ
1905年―戦ひすんで日が暮れて
1906年―西洋崇拝ハ愚ナリ
1907年―この日こそ声を放ち大いに泣くべし
1908年―ハイカラさんはいやだ
1909年―日本人は日本の魂を贈ってくれた
1910年―人がみな/同じ方角に向いて行く〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
3
1901年から2000年までを見開き2ページにまとめてその年に関係のある人物の言葉や事件などから感じたことをつづったもので私の感覚には非常にマッチした本でした。そのほかその年の出来事を月ごとに簡潔にまとめたコーナーもあって自分の関係した年をぱらぱらめくってみるのもいいと思います。2013/07/27
がんぞ
2
朝日新聞の『天声人語』(尊大なタイトルで啓蒙主義)元執筆者により2000年末に上梓された「1年見開き2ページ」のクロニクル。文章は流暢、朝日的日和見主義。昭和21年に中野好夫が「誰が戦犯か?」の雑誌アンケートに「自分」を記し「戦争を支持した責任」を痛感していたと書く。“by the people,for the people,of the people”の 第3節“of”は第四格=目的語を指示だから「人民を統治する」の意である(=代議制の由来)。されば、統治される人民が主体となるには《国民教育》が不可欠…2012/08/10