内容説明
滅法強くて、優しくて、正義感の強い捨て身の男が鮮やかに悪を斬る!黒澤エンターテイメントの最高傑作―時代劇に革命をおこした名作の検証。
目次
プロローグ 世界を魅了した“三十郎”の大娯楽活劇
第1章 活動大写真を撮ってみたい
第2章 人間の手首をくわえた犬
第3章 浪人、一触即発の宿場に現われる
第4章 三十郎のヤクザ自滅のシナリオ
第5章 『椿三十郎』―再び三十郎
エピローグ 永遠のタフガイ三十郎
著者等紹介
都築政昭[ツズキマサアキ]
昭和9年(1934年)、愛知県に生まれる。昭和34年、日本大学芸術学部映画学科卒業、NHK制作業務局撮影部に入局。昭和62年、九州芸術工科大学教授。平成12年、岐阜県立情報科学芸術大学院大学教授。現在、評論家(映画・ロシア文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kinkin
52
「用心棒」という映画は数回観た。しかしそれは映画館ではなくテレビやビデオだ。 映画というのは大きなスクリーンで観ることを前提に作られていることを忘れてはいけない。だからこそ大勢のスタッフや大掛かりなセット、ロケが行われる。当時の黒澤明の映画はそれが当たり前だったようだ。納得いくまでやる。現在そのような撮り方が出来る映画はないと思う。この本はそのようにして作られた映画の記録。随所に撮影、美術、衣装、演技他プロの仕事ぶりが書かれていた。図書館本。2016/02/07
大泉宗一郎
20
黒澤明ファンの中でも『七人の侍』や『隠し砦』を押さえて一番面白いという人が多い(らしい)という『用心棒』や、続編の『椿三十郎』の撮影裏、エピソードなどを、インタビューや文献などから引っ張ってまとめた一冊。いくつか新発見もあったし、改めて監督の映画作りに対する姿勢に恐怖すら感じたが、読者に映画のあらすじを思い出させるためか、かなり多くのページがストーリーに費やされており、邪魔。また、同じ引用が二回、三回と多用され、どう考えても200ページは省けたはずだ。情報量を考えてほしいところ。ただ、映画は傑作。2016/08/19
ささらもさら
2
何回見ても異常に面白い破格の傑作、映画「用心棒」の製作の裏側に迫るドキュメント。宮川一夫と斉藤孝雄の葛藤、18日間という異例の速さで脚本が書き上がられたという事実等、興味深い事実が目白押しで、作品のファンとして貪るように一気読みしました。一方、「用心棒」の時点では撮影現場の「天皇」として君臨していた黒澤明から、後年人が離れていってしまう兆しのようなエピソードには少し寂しさも感じました。このシリーズで「七人の侍」「生きる」「天国と地獄」のドキュメントもあるらしいので、そちらも楽しみです。2018/07/21
犬丸#9
2
★☆☆☆☆ ドキュメントとあるので、撮影や編集風景が事細かに描写されているのかと思い手に取ってみたんだけど、全体の3分の1が映画の筋書きを追って台詞を連ねているだけなのはどういう訳だ?こんなもん、3時間あったら誰でも書けるだろ。 関係者のインタビュー記事もほとんどが他の文献等からの引用で、別段珍しいモノはなし。しかも一部の発言は複数回引用されてたりして、なんかもう読んでいてダレダレ。 「生きる」「七人の侍」「赤ひげ」と、他にもこのシリーズはあるようだけど、二度と手に取らん!2008/03/07
FK
2
一連の都筑氏の作。映画の面白さを思い出させてくれる。2006/03/22
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