内容説明
19世紀の女性作家は,男性が建てて所有している邸宅に住まわなければならなかったばかりでなく、男性作家によって築き上げられた「芸術の宮殿」や「文学の殿堂」の中に取り込まれ、囲いこまれていたのである。女性文学に共通してみられる驚くべき不安は、したがって、自己と芸術と社会を巧みな術策を用いて定義し直すことによって、社会におけると共に文学における閉塞状況から逃れようとする女性の衝動の産物であるとわれわれは信じている。
目次
1 王妃の鏡―女性の創造性、女性に対して男性が抱くイメージ、文学に見られる父権の比喩
2 文章の中の病い―女性作家と書くことへの不安
3 ミルトンの亡霊―家父長制社会の詩と女性の読者
4 エミリ・ブロンテの地獄のバイブル
5 シャーロット・ブロンテの自我のスペクトル
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
読書記録(2018/10~)
1
絶版のフェミニズム論文集。図書館で斜め読み。英米の原書からの抜粋で、邦訳は女性作家が書くことや、シャーロット、エミリのブロンテ姉妹。当時の女性にとってはペンを執ることすら奇異であった。「屋根裏の狂女」は『ジェイン・エア』の妻バーサ、ジェインの分身であり警告的な存在でもある。2023/08/06
里十井円
0
かなり明確に指針になりそう。『ヴィレット』読んで再読しなければ2023/11/10
大正琴
0
すごく良い本だけど、読みにくかった。フェミニズムに関心のある人は読んでおくべき本2022/04/29
トム
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2章までと嵐ヶ丘論しか読めなかったけど、図書館に返さねばならない。男同士の絆より読みやすく、初心者向けな感じ。これは手元に置きたいが、邦訳実質絶版か…2020/11/18
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- 和書
- 観念的生活 文春文庫