出版社内容情報
ジョンソンは英語辞典編集者、作家、等々いくつもの顔を持つ英国の偉人であるが、
実は精神医学のパイオニアでもあった。貧困と病苦、とりわけ「重いうつ病」に
耐えながら独力で8年の歳月をかけ『事典』を完成させた。その4年後、本書
『ラセラス』を出版している。本作品のいたるところに彼の「苦闘の人生」が反映されている。
本書はまさに18世紀に生きた彼が21世紀の私たちに「生きる指針」を与えてくれる
「入魂の作」である。
内容説明
ラセラス王子が「生き方捜しの旅」に出る冒険物語。辞書編集者、作家、そして日本独自の精神療法「森田療法」にも通じる精神医学のパイオニアであったドクター・ジョンソンが、人間の本質について語った本書は、悩める現代人必読の書である。
著者等紹介
中村賢一[ナカムラケンイチ]
1954年名古屋市に生まれる。1994年中京大学大学院文学研究科修士課程修了。専門学校享栄ビジネスカレッジ、名古屋短期大学、南山短期大学、岐阜大学を経て、現在、中京大学・愛知大学非常勤講師。専門は18世紀英文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まふ
101
悩めるアビシニアの王子ラセラスと妹ネカーヤ、女官ペキューア、詩人イムラックなどを登場させて人間の本質に関わる事実とあるべき道を明らかにする、という趣旨の寓話的物語。原文の問題なのか翻訳文なのか定かではないが、どの文章もすっと頭に入って来ず、スムーズ感を欠く読書であった。著者は有名な知恵の宝庫「ジョンソン博士」であり蘊蓄をたっぷりと披歴していただけると思っていたがなかなか難しかった。G1000。2024/02/19
NAO
55
幸福の谷で暮らす第四王子ラセラスは、隔離生活に厭み何もかもに飽きてしまって外界を見たいと切望、幸福の谷を脱出し、幸福の探求の旅に出る。さまざまな地位、職業、考え方の者たち。快活な人、幸せそうな人。だが、誰もみな、幸福とはほど遠い。本当の幸福とは、何なのか。冒険物語の形をとっているが哲学書のような内容だ。2022/06/17
Э0!P!
1
平和で何でも手に入る生活に飽き、苦痛すら覚えるようになった王子たちが、詩人の助けを借りて世界を見る旅に出る。旅先で三々五々に理想の人生を探すことになるが、最後に彼らが辿り着き手に入れたもの、それは一体何を意味するのか。各々が道を見つけるために何故最後彼に会わなければならなかったのか。いまいち消化しきれていない自分がいる。知恵のもたらす脅迫性2025/02/23
ぱに
0
エチオピア関係の本として人に勧められるかという観点から読み、あまりエチオピア関係ないことを差し引いても、文章が読みづらすぎて勧められないという結論。初版だからか誤字脱字が多い。誤訳もないかな?文章も分かりづらく、気になって先人訳の岩波文庫のレビュー見たら、難解とは書いてあっても文章がおかしいとは書いてなかったから、翻訳の問題もあるのでは。原文読めないから誤解かもしれないけど。閉じた恵まれた空間に満足せず、外の世界に飛び出すことは良いことだと思う。ラセラス、ネカーヤ、イムラック、ペキューヤらの今後に幸あれ。2021/10/04
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