働きたくないイタチと言葉がわかるロボット―人工知能から考える「人と言葉」

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働きたくないイタチと言葉がわかるロボット―人工知能から考える「人と言葉」

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  • サイズ A5判/ページ数 272p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784255010038
  • NDC分類 007.1
  • Cコード C0095

出版社内容情報

なぜAIは、囲碁に勝てるのに、簡単な文がわからないの?

そもそも、言葉がわかるって、どういうこと?
中高生から大人まで「言葉を扱う機械」のしくみと、私たちの「わかり方」を考える。

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「つまり、僕らはロボットにしてほしいことを言うだけで、あとはロボットが勝手にやってくれる。それが一番いいってことだね」
「いいね。そうすれば、誰も働かなくてよくなるね」
イタチたちはみなこの計画にうっとりして、なんてすてきなのだろうと思いました。
(序章「ことの始まり」より)
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なんでも言うことを聞いてくれるロボットを作ることにしたイタチ村のイタチたち。彼らは、「言葉がわかる機械ができたらしい」といううわさを聞いては、フクロウ村やアリ村や、その他のあちこちの村へ、それがどのようなものかを見に行きます。ところが、どのロボットも「言葉の意味」を理解していないようなのです――

この本では、「言葉がわかる機械」をめぐるイタチたちの物語と、
実際の「言葉を扱う人工知能」のやさしい解説を通して、
そうした機械が「意味がわかっていると言えるのか」を考えていきます。

はたして、イタチたちは何でもできるロボットを完成させ、ひだりうちわで暮らせるようになるのでしょうか?

ロボットだけでなく、時に私たち人間も、言葉の理解に失敗することがありますが、なぜ、「言葉を理解すること」は、簡単なように見えて、難しいのでしょうか?

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――いま、さまざまな人がさまざまな機会に、「言葉を理解する機械がとうとう完成した」とか「今はできていないけれど、もうすぐできるだろう」とか「機械には本当の意味で言葉を理解することはできない」ということを言っています。いったいどれが正しいのでしょうか?
――私たちは普段から、「あの人が何を言っているかが理解できた」とか「あの言葉の意味が分からない」ということをよく口にします。しかし、自分がそう言うとき、どんな意味で言っているか、きちんと意識しているでしょうか? 実際のところ、私たちはさまざまなことを、「言葉が分かる」という便利な表現の中に放り込んでしまっています。それらを一つひとつ取り出してみないことには、「言葉が分かっているかどうか」という問題に答えを出すことはできません。
――この本では、「言葉が分かる」という言葉の意味を考えていくことで、機械のこと、そして人間である私たち自身のことを探っていきたいと思います。
――(問題の一部を知るだけでも)みなさんが、「人と機械の知性」について考えたり、またご自身の「言葉の使い方」や「理解の仕方」を振り返ったりする手がかりになると信じています。
(序章「ことの始まり」より)
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内容説明

なぜAIは、囲碁に勝てるのに、簡単な文がわからないの?なんでも言うことを聞いてくれるロボットを作ることにした、怠け者のイタチたち。ところが、どのロボットも「言葉の意味」を理解していないようで―

目次

言葉が聞き取れること
おしゃべりができること
質問に正しく答えること
言葉と外の世界を関係づけられること
文と文との論理的な関係が分かること
単語の意味についての知識を持っていること
話し手の意図を推測すること
その後のイタチたち

著者等紹介

川添愛[カワゾエアイ]
1996年九州大学文学部文学科卒業(言語学専攻)。2005年同大学大学院にて博士号(文学)取得。2002~2008年、国立情報学研究所研究員。2008~2011年、津田塾大学女性研究者支援センター特任准教授。2012~2016年、国立情報学研究所社会共有知研究センター特任准教授。専門は言語学、自然言語処理

花松あゆみ[ハナマツアユミ]
青森県出身。日本大学芸術学部デザイン学科卒。パレットクラブイラストBコース11期卒。おもにゴム版画によるイラスト制作(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

こーた

223
機械を作ろうとすると、人間の本質がみえてくる。言葉がわかるとはどういうことか、「意味」とは何か。たとえばこの物語そのものが、あるいは機械の実験場なのかもしれない。イタチやタヌキがしゃべり考えて機械を作ろうとする。ああ、そういう設定ね、とぼくたちは考えるまでもなく、それを前提として物語を読む。ところが機械はどうか。このファンタジックな設定を、瞬時に納得するのは人間だって難しい。この本にかぎらず、文や物語の裏にある前提を理解できないひとたちがいる。かれらは小説の内容に対して、不謹慎だ、とか、事実と⇒2019/09/16

starbro

209
11月の一作目はタイトルの長いAI本です。AIにおける音声・言語認識の現状を寓話のスタイルで面白く解り易く解説した良書です。AIが進歩しているのは解りますが、技術開発は難しく、鉄腕アトムのようなロボットは、私が生きている間は無理かも知れません。2017/11/01

trazom

132
4年前に評判になった一冊。流石に面白い。「言葉を理解する」ことを突き詰める「理論言語学」と、「機械に言葉を認識させる」ことに挑戦する「自然言語処理」の両分野が専門である川添先生だからこそ、「言葉がわかる機械(人工知能)は開発できるか」に対する解説には説得力がある。改めて、言葉を理解するという行為の奥深さを実感する。その行為を要素に還元して地道に分析する「言語学」という学問の凄さの一端を垣間見ることもできた。イタチを主人公にした寓話的な物語や花松あゆみさんのイラストも印象的な、ユニークないい本だと思う。2022/01/07

molysk

100
働きたくないイタチは、かわりに仕事をさせるために言葉がわかるロボットを作ろうとする。こんなお話を舞台に、言葉を理解するために必要な能力を、機械学習によって実現するうえでの課題を考える。膨大なデータから言葉と言葉を相関づけて、特定の知識を問う質問に答えることはできそうだ。だが、常識や会話の状況、話し手の意図といった明示化されにくい情報をもとに判断することは難しい。そもそも、言葉がわかる、とはどういうことなのだろうか。機械にやらせたいことが分からなければ、達成できない目標に向けての、いたちごっこが続くだけだ。2021/12/25

☆よいこ

91
分類007。「働きたくないなぁ、自分たちの変わりに働いてくれるロボットが欲しいなぁ」「して欲しい事を言うだけで、何でもやってくれるロボットを作ろう」から始まるAI開発のあゆみ。▽イタチが近隣の村を廻って、開発中のロボットについて学ぶ…というか技術を盗む。しかし、それぞれに利点はあるものの「言葉を理解してくれる」ロボットには程遠い。音声認識/言語理解/質問に答えるロボ/画像認識/画像・動画の表現力の限界▽論理/推論と意味理解/知識の自動獲得/意味と意図▽これぞイタチごっこ。ブレイクスルーはどこに?2021/08/12

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