やっかいな放射線と向き合って暮らしていくための基礎知識

田崎 晴明【著】

朝日出版社（2012/10発売）

• サイズ B5判／ページ数 147p／高さ 26cm
• 商品コード 9784255006765
• NDC分類 539.6
• Cコード C0095

出版社内容情報

安全か危険かではなく、
何がわかっていて何がわかっていないかを、
じっくりと、ていねいに。
中学生以上のすべての人へ。


「この本は、「安全だよ。安心してください」と言うために書いたのではな
いし、「危険だ。心配しなくてはいけない！」と言うために書いたのでもな
い。

　ただ、放射線や原子力について知っておいたほうがいい（とぼくが判断し
た）基礎知識を説明し、それから、「放射線はどれくらい体に悪いのか」と
いうことについて何がわかっているかを丁寧に解説した。

　そして、よくわからないことについては、「わからない」とはっきり書い
た。何がどのくらい「わからない」のかをみんなが知って、その上で、これ
からどうするかを自分で考えていくのが一番だと信じているからだ。」

「あの日」から普通ではない時間を過ごしてきたすべての人へ──敬意と感
謝と言葉にできない思いをこめて。（著者）


【目次】
　第1章 はじめに
　第2章 放射性物質と放射線
　第3章 原子力と原子力発電所事故
　第4章 放射線の被曝と健康への影響
　第5章 放射性セシウムによる地面の汚染
　第6章 放射性セシウムによる食品の汚染
　第7章 さいごに
　付録A
　付録B
　索引


【著者紹介】
田崎 晴明（たざき・はるあき）
理論物理学者、学習院大学理学部教授
1986年東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。米国プリンストン大学講師、学習院学助教授等を経て1999年より現職。1997年「量子多体系の数理物理学的研究」で第1回久保亮五記念賞を受賞。研究以外では、見通しのよい現代的な教科書『熱力学』、『統計力学I, II』の著者として知られている。ポストモダン哲学における科学の濫用を批判した『「知」の欺瞞』の翻訳も手がけた。

内容説明

安全か危険かではなく、何がわかっていて何がわかっていないかを、じっくりと、ていねいに。中学生以上のすべての人へ。

目次

第１章　はじめに
第２章　放射性物質と放射線
第３章　原子力と原子力発電所事故
第４章　放射線の被曝と健康への影響
第５章　放射性セシウムによる地面の汚染
第６章　放射性セシウムによる食品の汚染
第７章　さいごに
付録Ａ　知っていると便利なこと
付録Ｂ　関連する少し詳しいことがら

著者等紹介

田崎晴明［タザキハルアキ］
理論物理学者、学習院大学理学部教授。１９８６年東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。米国プリンストン大学講師、学習院大学助教授等を経て１９９９年より現職。１９９７年「量子多体系の数理物理学的研究」で第１回久保亮五記念賞を受賞（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[MAT-TUN]

田崎先生はこんなすばらしい本を！ふりがなをふって中学生や世のなかのお母さんにも読めて、わからないことはわからないと書き、わかることは正確かつ極めて平易に、放射線、原発、汚染、健康への影響について物理学者が書いた本は少ないのではないか。私は学生のころから田崎先生の科学に対する誠実な姿勢が滲み出ている文章に深く感銘を受けていた。（理学部で物理学を学んでいる人は先生の「熱力学」を読みましょう）先生は優れた物理学者であるのみならず、科学者として本当に尊敬すべき方だと確信した。日本で今を生きる全ての人にオススメ。

2013/02/06

[円]

「普通ではない15ヶ月を過ごしてきたすべての人へ」ネットに掲載されていた文章の書籍化。ニュース等で断片的に聞いてきた、特に被曝関係の単語の意味を改めて丁寧に読むことでパズルのピースが少しずつ嵌っていった気がしました。専門的な知識についてはまだ読みこなせていない気もしますが、わからないことは「わからない」という筆者の語り口はとても静かです。とはいえ内容は濃いので物理に拒否感のある方はまず「この本って？」「はじめに」「最後に」をゆっくり読んでみることをお勧めします。

2012/10/27

[くにお]

とにかく一次資料の引用がしっかりしていて、信頼できる。著者はこの本をWeb上でpdfファイルとして無料公開しており、それだけでも科学者としてのこの問題に対する真摯さが伝わってくる。科学的にわかっていること、そしてわかっていないことをしっかりと記述してある。客観的に見ると、どれだけ悲観的に見積もっても、放射能が原因で急に発ガン率が上昇したりするような事態にはなっていないことがわかった。このデータを理解した上で、「気にする派」「気にしない派」の自由をそれぞれ認めることが大切、との著者の意見には大賛成。

2014/03/14

[Hiroshi Fukuchi]

「あの日」から普通ではない時間を過ごしてきたすべての人へ敬意と感謝と言葉にできない思いを込めて。 原発事故と放射性物質についてのバイブルたり得る。 すべての人に読んで頂きたい、「良書」です。

2012/10/03

[shouyi.]

あまりに情報が多すぎてどう考えたらよいか分からないのが、放射能についての知識だろう。2011年から10年、漸く手にしたのがこの本である。知識のない私が、読めたのは作者田崎晴明先生が、ごくごく基本的事がらから書いてくれたおかげ。過剰に心配したり、安易に安心せず、考えることが可能となる。

2021/07/20