目次
第1章 『スペインの悲劇』トマス・キッド
第2章 『エドワード二世』クリストファ・マーロウ
第3章 『ヴォルポーネ、または狐』ベン・ジョンソン
第4章 『ブッシー・ダンボア』ジョージ・チャプマン
第5章 『白い悪魔』ジョン・ウェブスター
第6章 『マルフィ公夫人』ジョン・ウェブスター
第7章 『復讐者の悲劇』シリル・ターナー
第8章 『女よ女に用心せよ』トマス・ミドルトン
第9章 『チェインジリング』トマス・ミドルトン、ウィリアム・ロウリー
第10章 『チェスの勝負』トマス・ミドルトン
第11章 『裂けた心』ジョン・フォード
著者等紹介
日浅和枝[ヒアサカズエ]
1938年東京生まれ。1962年実践女子大学文家政学部英文学科卒業。1968年明治学院大学大学院文学研究科英文学専攻修士課程修了。1971年同博士課程単位取得満期退学。1987年実践女子大学文学部専任講師。2009年同教授として定年退職。現在、実践女子大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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拓也 ◆mOrYeBoQbw
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文学評論書。エリザベス朝の沙翁以外の戯曲11篇を解説した学術書ですね。T.S.エリオット『荒地』や初期の詩の本歌として引用されるので、それらを理解するのに便利な一冊です。改めてキッドの『スペインの悲劇』、マーロウ『エドワード二世』などを読むと、当時は沙翁が特筆される劇作家ではなく、キッドやマーロウの影響を受け、セネカやオウィディウスの様な古典を研究した帰結とよく解りますね。特に『スペインの悲劇』は劇中劇による復讐、セリフの二重性とが見事で、正気と狂気、忠誠と裏切りが交錯する傑作だと思います(・ω・)ノシ2018/11/23