20世紀

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  • サイズ A5判/ページ数 526p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784255003887
  • NDC分類 953
  • Cコード C0090

出版社内容情報

知られざる未来予測のチャンピオン、120年ぶりに日本に上陸!
奇想天外な空中船が飛び交う近未来のパリ。人々は家にいながら世界の情報にリンクし、株を買いあさっては一喜一憂。国家のボーダーはなくなって、10年に1度の革命に歓喜する!

フランス19世紀の末、日本がまだ明治時代だったころに、そんな未来世界を想像し予想した作家がいる。『地底旅行』『八十日間世界一周』のジュール・ヴェルヌと当時の人気を二分したフランスの奇才、アルベール・ロビダ。彼の幻の空想近未来小説が120年ぶりに新訳で登場。訳者は『地底旅行』、レーモン・クノー『文体練習』(小社刊)などを手がけた、朝比奈弘治氏。ロビダ自身による300点を超える挿画は眺めるだけでも楽しい。原典初版本(1883年刊)を完全復刻した美しい造本。

■アルベール・ロビダ『20世紀』に酔いしれる!
19世紀には、もうひとつのSF全盛期があった! ターゲットは20世紀、その中心地はフランス。まるでシャンソンのように小粋で、ほろ苦いフランスSFにあって、ジュール・ヴェルヌと覇を競った諷刺まんが家アルベール・ロビダの描く「なつかしの20世紀」に心ゆくまで酔いしれる!
── 荒俣宏氏

【著者紹介】
1848年、フランスの小都市コンピエーニュ生まれ。諷刺・挿絵画家、小説家。1880年に創刊された週刊諷刺新聞『ラ・カリカチュール』の編集長として活躍。1880年代刊行の「20世紀3部作」(『20世紀』『20世紀の戦争』『20世紀、電気生活』)により、ジュール・ヴェルヌと並ぶ近未来小説の先駆者と評される。1926年没。生涯に描いた絵の数は6万点以上、自筆挿絵入り著書は60冊にのぼる。

【訳者紹介】
1951年、東京生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。現在、明治学院大学教授。専攻はフランス文学。著書に、『フローベール「サラムボー」を読む――小説・物語・テクスト』(水声社、1997年)、主な訳書に、レーモン・クノー『文体練習』(朝日出版社、1996年)、ジュール・ヴェルヌ『地底旅行』(岩波文庫、1997年)、エミール・ゾラ『パリの胃袋』(藤原書店、2003年)などがある。

内容説明

知られざる未来予測のチャンピオン、120年ぶりに日本に登場。奇想天外な空中船が飛び交う近未来のパリ。人々は家にいながら世界の情報にリンクし、株を買いあさっては一喜一憂。国家のボーダーはなくなって、10年に1度の革命に歓喜する!『地底旅行』『八十日間世界一周』のジュール・ヴェルヌと当時の人気を二分したフランスの奇才、アルベール・ロビダが21世紀に甦る。ロビダ自身による300点を超える挿画をふくめ、原典初版本(1883年刊)を完全復刻。

著者等紹介

ロビダ,アルベール[ロビダ,アルベール][Robida,Albert]
1848年、フランスの小都市コンピエーニュ生まれ。諷刺・挿絵画家、小説家。1880年に創刊された週刊諷刺新聞『ラ・カリカチュール』の編集長として活躍。1880年代刊行の「20世紀3部作」(『20世紀』『20世紀の戦争』『20世紀、電気生活』)により、ジュール・ヴェルヌと並ぶ近未来小説の先駆者と評される。1926年没。生涯に描いた絵の数は6万点以上、自筆挿絵入り著書は60冊にのぼる

朝比奈弘治[アサヒナコウジ]
1951年、東京生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。明治学院大学教授。専攻はフランス文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

lico

3
【第60回海外作品読書会】作者の時代から70年後の地球の想像図。主人公エレーヌが様々な職業を転々としていきながら未来の地球の風俗を眺めていくのだが、この世界のフランスは文学や芸術が廃れ、革命すらもショーになってしまったユートピア社会になっている。ほぼ1頁に一枚の頻度で挟まれる作者自筆の挿絵がいい雰囲気をだしている。「何、描写が分かりにくい?それなら横の挿絵を見るんだ」と作者の声が聞こえてくるような親切設計。『すばらしい新世界』に近いけれどお国の違いかこちらの方はどこかひょうきんな新世界に仕上がっている。2016/04/20

Mentyu

2
古いSF小説というと、大抵は科学技術の描写に主眼が置かれていて、それ以外の要素は重視されていないことが多い。この本の面白いところは、その傾向に真っ向から逆らって、科学の話よりも社会の姿がどう変化したのかという点を強調したところだと思う。作中ではくどいほど男女同権のエピソードが繰り返される一方で、革命の定期開催や国家の企業化など、社会風刺と受け取れるような描写も多い。つまるところ、19世紀フランスのお国柄が色濃く反映された、社会派SFの走りといったところだろうか。ちなみに、作者による挿絵はかなりファンシー。2017/06/09

uni

2
何度目かの再読。いつも文章というより、絵を楽しんでます。フランスの小説家でもあり挿絵画家でもあるアルベール・ロビダ。彼の絵が大好きです。この作品の中に数多くの挿絵が描かれてますが、素敵です。空想的な未来を描いた本ですが、当時の風習の延長のようで、少し奇抜な世界観のようで、部屋に大きなポスターが欲しいです。空中都市、気球カジノ、雲の宮殿、空の悪漢と空中警察、、、、1882年に描かれたこの作品。空に夢見てたのですかね。2013/08/02

頼ママ

1
な〜んだ、20世紀のことを書いた本? と思って読むと、とんでもない。これは今から130年ほど前の1882年に、80年後である1952年を想像して書かれた本なのです。人々はアエロネフと呼ばれる空中船で移動し、様々な職業で女性が活躍し、料理はチューブを通して料理会社から運ばれてくる。21世紀の現代においてもまだ実現しないこともありますが、明治の頃にテレビや新幹線のようなものを考え出した著者の卓越した想像力には脱帽だし、ふんだんに入ってる著者自身による挿し絵も素晴らしい。一読の価値アリ!です。2012/09/16

ハマダしょうたろう

0
19世紀にいかに未来が素晴らしいものかを予測した作品である。 内容は当時の最先端技術の映像・電話・飛行船・電気などが社会に 与えるか、また社会の風俗や形態がどうなるかを面白おかしく描い ている。 しかし、同書はSFの冒険活劇のジュール氏のような派手さはないが、 いわゆる身近な日常生活におけるSFを中心としている。そこには、 19世紀の古典的な社交界が残ったり、新技術による変化がなんとも 混在する面白い未来が描かれている。 また、現実したものが少なからず描かれていることも、また興味を引く作品である。2013/08/29

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