ハリーと千尋世代の子どもたち

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  • サイズ B6判/ページ数 251p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784255001432
  • NDC分類 371.45
  • Cコード C0095

内容説明

子どもたちの「生きる力」は本当に弱くなっているのか!?ユング心理学の理論家であり、臨床医でもある著者が、二十一世紀の冒頭に大ヒットを記録した二つの映画、『ハリー・ポッターと賢者の石』と『千と千尋の神隠し』をモチーフに、今を生きる子どもたちの心の深層と、子どもたちの置かれる環境を読み読く。

目次

第1章 子どもの心を読み解く前思春期論(前思春期とは?;ハリーや千尋世代に出会ったきっかけ;はたしてどちらが幸せか? ほか)
第2章 千と千尋とユング心理学(名前を奪われるということ;名前を与えられるということ;センとチヒロ ほか)
第3章 ハリー・ポッターと世界のファンタジー(ファンタジーの素地;外にある悪と、内にある悪;アニマとアニムス ほか)

著者等紹介

山中康裕[ヤマナカヤスヒロ]
1941年、愛知県名古屋市生まれ。名古屋市立大学医学部卒業。同大学院修了。医学博士。現在、京都大学大学院教育学研究科教授。ユング心理学の実践家、理論家であり、臨床医、心理臨床家でもある。絵画療法を皮切りに、箱庭療法の実践と紹介、小説療法、俳句療法など、表現療法の幾多のジャンルに通暁し、この分野の第一人者とされる。映画、児童文学、児童文化への造詣も深い。「病の意味」の追求をライフワークとし、その治療法としての独自の表現療法の開発に取り組んでいる
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さわこ

10
「千と千尋の神かくし」、「ハリー・ポッターシリーズ」を通して現代の子どもたちの姿を考察した一冊。何気なく観ていた映画だったけど、「あの場面にあんな意味が…!」という発見がたくさんあって、楽しく読めた。山中さんの考え方や豊富な知識もとてもいいし、インタビュアーの渡辺さんの質問も鋭い。この本が良い本になったのは、彼女が上手く山中さんの言葉を引き出せたから、という部分も大きいんだろうな。山中さんには、子どもを受け入れて見守るような優しさがあって、話す内容の端々にそれが伺えたのが良かった。★★★★★2015/02/22

Humbaba

3
名前というのは非常に重要であり、それを奪われるということは自分の中の大切なものを失ってしまうということである。そこに助けに来てくれる存在は、まだ恋というものを知らない状態だからこそ、現実には存在しない理想の塊と言った形で相対する事が可能となる。2013/12/29

melissa

2
地元図書館本。なぜ、この本を借りたのかは思い出せないのですが…精神科医で、心理臨床家の著者のお話がとても面白く、サクサクっと読めました。 『千と千尋の神かくし』を中心に『ハリー・ポッター』を読み解く鍵は前思春期!(この言葉を知らなかった)の子どもが主人公であることなんですね。インタビューアーの渡辺祐三子氏との対談を記録したものですが、とっても奥深いです。2本の映画ともにすでに鑑賞済みですが、もう一度観たくなりました。その時は丁寧に観ようと…2015/02/28

遠野

2
著者の幅広い知識は勿論、聞き手の的確な指摘もあって質の高いインタビューになっている。前思春期の子どもの内面世界についてや、西洋的な成長神話と東洋的な成熟神話についての話、教育の在り方についての話が興味深い。二作の映画は、エンターテインメント性や話題性だけでなく、人間の根源的な部分を描いたからこそ万人に受け入れられたのだということがわかる。2011/03/22

ブルーローズ

2
現代の子どもを、ヒットした映画から解きなおすという視点がまず興味深い。日本的・欧州的に方式は違うとしても、ヒットするということは現在の空気をふんだんに伝えているため、それを分析すると、こんなにわかりやすいものとなるのだ、と感じた。また、ファンタジーに触れることは悪くないが、それは危機の入り口になるというのも目からウロコ。妙に悟った子どもや精神的に社会にフィットできない人の分析もあります。2011/02/07

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