内容説明
バイオロジカル・コントロール(生物的防除)は、害虫の天敵を使って病害虫や雑草を防除するという古くて新しい技術である。主に農学部・生物資源科学部系の学部生を読者と想定して構成し、害虫管理としてのバイオロジカル・コントロールの現状や課題を概説すると同時に、生き物としての天敵の面白さについても紹介した。
目次
1 生物的防除の基礎(生物的防除の概要と歴史;IPMと害虫防除の現状)
2 生物的防除の実際(伝統的生物的防除;放飼増強法による生物的防除;土着天敵保護による生物的防除;天敵微生物による生物的防除)
3 昆虫の天敵(天敵のグループ分け;捕食寄生者の行動;寄生蜂の学習;寄生蜂による寄主制御;捕食者の行動と生態;捕食性昆虫の増殖)
4 昆虫病原微生物の戦略(昆虫病原細菌;昆虫ウイルス;昆虫病原糸状菌;微胞子虫;線虫)
著者等紹介
仲井まどか[ナカイマドカ]
1964年兵庫県に生まれる。1997年東京農工大学大学院連合農学研究科博士課程修了。現在、東京農工大学大学院共生科学技術研究院・准教授。博士(農学)
大野和朗[オオノカズロウ]
1955年鹿児島県に生まれる。1987年九州大学大学院農学研究科博士課程退学。現在、宮崎大学農学部食料生産科学科・准教授。農学博士
田中利治[タナカトシハル]
1949年東京都に生まれる。1986年京都大学大学院理学研究科博士課程修了。現在、名古屋大学大学院生命農学研究科・教授。理学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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海星梨
7
な、長かった……だってガチなんだもん。学部生向けとはいえ、そんな専門性の高いものを簡単に借りてくるなと過去の自分に小一時間。原生動物の分け方とかWikipedia見てもわからなかった部分の知識が増えたりで、バイオロジカルコントロール以外の収穫もあったり。ファンタジー世界に移管して考えるのが楽しいんだよな。隣り合って別の作物を作っている二つの耕作民族がいて、一方の民族が伝統的に害虫に対して放つ育てている虫が、隣の民族の作物を食害して「隣が豊作なのにこちらは凶作」が繰り返されて民族対立とか。2024/04/15