出版社内容情報
大腸癌から大腸・肛門疾患全域に渡り解説した外科書。〔内容〕疫学／病理・解剖・生理／検査・診断／術前・術後管理／良性・悪性腫瘍／ポリポーシス／カルチノイド／炎症性・血管性・機能性・肛門・虫垂疾患／腹腔鏡補助下・直腸鏡下手術
【目次】
1. 大腸癌の免疫
1.1 日本における大腸癌の動向
1.2 国際的にみた大腸癌の比較
1.3 移民研究からみた大腸癌
1.4 大腸癌死亡率と食品・栄養素摂取量の相関関係
1.5 大腸癌の危険因子
1.6 結腸癌と直腸癌の相違点のまとめと考察
2. 病理
2.1 前癌病変（腺腫，腺腫症）
大腸腺腫／大腸腺腫瘍症
2.2 大腸癌の臨床病理
分類／予後に関係する因子／早期大腸癌の取り扱い／
表面型の腺腫ならびに大腸癌／良悪性境界病変の取り扱い
2.3 大腸の非腫瘍性ポリープ・ポリポーシス
分類／非腫瘍性ポリープ／非腫瘍性ポリポーシス／
大腸癌発生のリスク群と癌の発生母地
2.4 大腸癌の組織発生
外科手術材料の時代：～1975／ポリペクトミー材料の時代：～1980～／
flat adenomaの時代：1985～／陥凹型腫瘍の時代：1987～／
分子生物学の時代：1990～
2.5 炎症性大腸疾患
潰瘍性大腸炎／Crohn病
2.6 その他の大腸疾患
アミロイドーシス／子宮内膜症／虚血性腸炎／深在性嚢胞性大腸炎／
腸管気腫性嚢胞症／腸管血管異形成
3. 大腸癌発生の分子生物学
3.1 発癌過程に関わる遺伝子群
3.2 大腸癌の発生に関わる遺伝子
4. 解剖
4.1 結腸
大腸の区分と長さ／大腸壁の特徴／腹膜／動脈／静脈／神経／リンパ系
4.2 直腸
直腸の形態と区分／直腸とS状結腸の移行部／直腸と肛門管の移行部／
骨盤壁／骨盤底筋／動脈／静脈／自律神経／リンパ系／筋膜
5. 生理
5.1 結腸
運動／吸収／分泌および排泄／腸内細菌
5.2 直腸，肛門
continenceの維持／排便機構
6. 検査，診断
6.1 X線検査，内視鏡検査
X線検査／内視鏡検査
6.2 CT，MRI
CT，MRIの役割／検査法／結腸・直腸疾患の画像所見
6.3 経直腸超音波検査
検査の方法／直腸癌の病期診断／結腸癌の病期診断／直腸癌局所再発の診断／
直腸カルチノイドの病期診断／肛門周囲膿瘍・痔瘻の診断／便失禁の診断
6.4 直腸・肛門機能検査
直腸・肛門マノメトリー／直腸・肛門の感覚検査／排便造影／神経学的検査法／
その他の機能検査法
7. 集団検診
7.1 集団検診の条件
7.2 スクリーニング検査法
7.3 実際の成績
7.4 集検発見癌の特徴
7.5 今後の課題
8. 術前・術後管理
8.1 術前管理
8.2 術後管理
9. 良性腫瘍，腫瘍様病変
9.1 良性上皮性腫瘍
腺腫
9.2 腫瘍様病変
化生性（過形成性）ポリープ／若年性ポリープ／Peutz-Jeghers型ポリープ
9.3 非上皮性腫瘍
平滑筋腫／脂肪腫／血管腫
10. ポリポーシス
10.1 家族性大腸腺腫症
発生頻度／病態生理／外科診断／治療方針／手術方法／手術成績／遠隔成績
10.2 Peutz-Jeghers症候群
発生頻度／病態生理／診断／治療方針，手術適応／手術方法／手術成績，遠隔成績
10.3 若年性ポリポーシス
発生頻度／病理，病態生理／分類／外科診断／治療方針，手術適応／
手術方法／手術成績
10.4 Cronkhite-Canada症候群
発生頻度／病理，病態生理／外科診断／治療方針，手術適応／手術方法／
手術成績，遠隔成績
10.5 Cowden病
発生頻度／病理，病態生理／外科診断／治療方針，手術適応／手術方法・成績／
遠隔成績
11. 悪性腫瘍
11.1 大腸早期癌
発生頻度／病態生理／分類／外科診断／治療方針／治療方法／手術成績，遠隔成績
11.2 結腸癌（進行癌）
右側結腸癌／左側結腸進行癌
11.3 直腸癌（進行癌）
直腸外科に必要な直腸，肛門のリンパ路と神経支配／病態―直腸癌の進展形式／
分類／症状，診断／治療方針／手術法
11.4 肛門管癌
病態生理と病型分類／外科診断／治療方針，手術適応／
手術方法：肛門管癌に対する直腸切断術／手術成績／遠隔成績
11.5 遺伝性大腸癌
発生頻度／病態生理／遺伝学的背景／分類／外科診断／治療方針，手術適応／
手術方法／遠隔成績／家族構成員の調査
11.6 小腸および大腸肉腫
悪性リンパ腫／平滑筋肉腫／悪性黒色腫／その他の肉腫
11.7 転移性大腸癌
発生頻度／分類／外科診断／手術成績，遠隔成績
11.8 転移性肝癌
発生頻度／病態生理／外科診断／治療方針
11.9 直腸癌局所再発
発生頻度／病態生理／分類／外科診断／治療方針，外科適応／遠隔成績
11.10 手術補助療法
補助化学療法，免疫化学療法／補助放射線療法
12. カルチノイド
12.1 発生頻度
12.2 病理，病態生理
12.3 分類
12.4 外科診断
12.5 治療方針，手術適応
12.6 手術方法
12.7 手術成績，遠隔成績
13. 腫瘍様病変
13.1 子宮内膜症
発生頻度／病態生理／分類／外科診断／治療方針，手術適応／手術方法／
手術成績，遠隔成績
13.2 深在性嚢胞性大腸炎
発生頻度／病態生理／分類／外科診断／治療方針，手術適応／手術方法／
手術成績，遠隔成績
13.3 腸管嚢胞気腫症
発生頻度／病態生理／分類／外科診断／治療方針，手術適応／手術方法／
手術成績，遠隔成績
14. 炎症性疾患
14.1 潰瘍性大腸炎
発生頻度／病態生理／分類／外科診断／治療方針，手術適応／手術方法／
手術成績／遠隔成績
14.2 Crohn病
発生頻度／病態生理／分類／外科診断／治療方針，手術適応／手術方法／
手術成績／遠隔成績
14.3 腸型Behcet病
発生頻度／病理，病態生理／分類／外科診断／治療方針，手術適応／
手術方法／術後合併症／遠隔成績
14.4 単純性潰瘍
発生頻度／病理，病態生理／外科診断／治療方針，手術適応／手術方法／
遠隔成績
14.5 憩室症
発生頻度／病理，病態生理／分類／外科診断／治療方針，手術適応／
手術方法，手術成績
14.6 急性出血性直腸潰瘍
発生頻度／分類／外科診断／治療方針，手術適応／遠隔成績
14.7 特発性腸穿孔
発生頻度／病態生理／外科診断／治療方針，手術適応／手術方法／手術成績
14.8 腸間膜脂肪織炎
発生頻度／病態生理／外科診断／治療方針，手術適応／手術方法／遠隔成績
14.9 放射線障害性腸炎，腸結核，感染性腸炎
放射線障害性腸炎／腸結核／感染性腸炎
15. 血管性疾患
15.1 虚血性大腸炎
発生頻度／病態生理／分類／外科診断／治療方針，手術適応／手術方法／
手術成績，遠隔成績
15.2 血管の形態異常
angiodysplasia／血管腫／その他の血管形態異常
16. 機能性疾患
16.1 慢性便秘症，成人巨大結腸症
発生頻度／病態生理／分類／外科診断／治療方針，手術適応／手術方法／
手術成績／遠隔成績
16.2 直腸粘膜脱症候群（孤立性直腸潰瘍症候群）
発生頻度／病態生理／分類／外科診断／手術適応／手術方法／
手術成績，遠隔成績
16.3 便失禁
発生頻度／病態生理／分類／診断／治療方針，手術適応／手術方法／手術成績
16.4 偽性腸閉塞症
発生頻度／病態生理／分類／外科診断／治療方針，手術適応／手術方法／
手術成績／遠隔成績
17. 肛門疾患
17.1 痔核
発生頻度／病態生理／分類／外科診断／治療方針，手術適応／手術方法／
術後管理／遠隔成績
17.2 裂肛
発生頻度／病態生理／病型分類／外科診断／治療方針，手術適応／
手術方法／手術成績，遠隔成績
17.3 肛門周囲膿瘍
発生頻度／病態生理／分類／外科診断／治療方針，手術適応／
手術方法／手術成績
17.4 痔瘻
発生頻度／病態生理／分類／外科診断／治療方針，手術適応／
手術方法／手術成績，遠隔成績
17.5 毛巣洞
発生頻度／病態生理／病理形態／外科診断／治療方針，手術適応／
手術方法／手術成績，遠隔成績
17.6 直腸脱
発生頻度／病態生理／分類／外科診断／治療方針，手術適応／
手術方法／手術成績／遠隔成績
17.7 化膿性汗腺炎
発生頻度／病態生理／外科診断／治療方針，手術適応／手術成績，遠隔成績
17.8 尖圭コンジローム
発生頻度／病態生理／分類／外科診断／治療方針／治療成績
17.9 肛門そう痒症
発生頻度／病態生理／分類／診断／治療／治療成績，遠隔成績
18. 発生異常
18.1 鎖肛
発生頻度／病態生理／分類／外科診断／治療方針，手術適応／
手術方法／手術成績／遠隔成績
18.2 Hirschsprung病
発生頻度／病態生理／分類／外科診断／治療方針，手術適応／
手術成績，遠隔成績
18.3 回転・固定異常
発生頻度／病態生理／分類／外科診断／治療方針，手術適応／
手術成績，遠隔成績
18.4 大腸重複症
発生頻度／病態生理／外科診断／手術適応，手術の実際／
手術方法／手術成績，遠隔成績
19. 虫垂疾患
虫垂炎／腺腫，嚢胞腺腫／虫垂癌／粘液癌腫，腹膜偽粘液腫／カルチノイド
20. 外傷，腸軸捻転，腸管内異物，直腸腟瘻
21. 腹腔鏡補助下手術
21.1 手術適応
21.2 手術手技
21.3 手術成績
21.4 遠隔成績
22. 直腸鏡下手術
22.1 手術適応
22.2 手術手技
22.3 手術成績
22.4 遠隔成績
23. 索 引
【編集者】
武 藤 徹一郎
【著者】
阿 川 千一郎， 安 達 実 樹
畦 倉 薫， 荒 木 靖 三
新 井 冨 生， 赤 須 孝 之
味 岡 洋 一， 磯 本 浩 晴
稲 次 直 樹， 岩 下 明 徳
岩 垂 純 一， 岩 間 毅 夫
板 井 悠 二， 板 橋 道 朗
宇都宮 譲 二， 太 田 博 俊
大 木 繁 男， 大 矢 正 俊
加 藤 知 行， 亀 岡 信 悟
金 平 永 二， 野 垣 正 樹
北 島 政 樹， 久保田 芳 郎
黒 川 彰 夫， 黒 田 敏 彦
小金井 一 隆， 小 平 進
小 西 文 雄， 小 林 建 司
佐 藤 達 夫， 斎 藤 建
斉 藤 幸 夫， 澤 田 俊 夫
重 松 宏， 進 藤 勝 久
嶋 田 紘， 洲之内 廣 紀
杉 田 昭， 杉 原 健 一
鈴 木 公 孝， 高 橋 孝
田 村 和 朗， 土 田 嘉 昭
寺 本 龍 生， 富 永 祐 民
中 野 博 重， 原 宏 介
畠 山 勝 義， 浜 野 恭 一
広 岡 大 司， 平 井 孝
藤 井 久 男， 福 島 恒 男
松 谷 章 司， 正 木 忠 彦
道 下 宣 成， 棟 方 昭 博
武 藤 徹一郎， 森 田 博 義
森 武 生， 森 谷 宣 皓
森 正 樹， 望 月 英 隆
横 森 欣 司， 吉 岡 和 彦
渡 辺 聡 明， 渡 辺 英 伸
渡 邊 昌 彦
内容説明
本書は大腸の専門外科医を志す若い外科医に、広範な大腸疾患に関する知識を供与するとともに、より上級の専門医に対しては、より深い知識の整理に資することを目的として企画された。外科医を対象とした本であるから、手術手技についての記載があることは当然であるが、それのみにとどまらず、各疾患の疫学、病態、診断法、さらには合併症、生存率など、大腸の専門家として知っておかねばならないデーターを可能な限り記載するようにした。このような目的にそって、本書が多くの外科医に利用されることを期待したい。
目次
大腸癌の疫学
病理
大腸癌発生の分子生物学
解剖
生理
検査、診断
集団検診
カルチノイド
腫瘍様病変
炎症性疾患
血管性疾患
機能性疾患
肛門疾患
虫垂疾患〔ほか〕
