内容説明
昔は「非A非B型肝炎」にすぎなかったC型肝炎。その正体は80年代の終わりに明らかにされ、今や完治可能な疾患になった。その歴史、現在、未来を第一人者が余すところなく解説する完全版!
目次
第1章 C型肝炎ウイルスの発見
第2章 ウイルスの発見がもたらしたこと―疾患の理解と予防法の確立
第3章 C型肝炎のインターフェロン治療
第4章 DAAの時代―直接作用する抗ウイルス薬
第5章 DAAがもたらした「新しい肝臓像」
第6章 これからの肝疾患
著者等紹介
竹原徹郎[タケハラテツオ]
1959年東京都に生まれる。1984年大阪大学医学部卒業。1998年米国ハーバード大学研究員。現在、大阪大学大学院医学系研究科消化器内科学教授。日本肝臓学会理事長。医学博士(大阪大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kitten
7
図書館本。世界規模の感染症であり、膨大な死亡者を出しているC型肝炎をメインとした、肝炎の30年の歴史。まさに、遺伝子技術、科学技術の発展と共に、治療法が劇的に進化している。科学の偉大な勝利の一つだろう。非常に薬価が高いという難点はあるものの、c型肝炎という病気は克服されつつあり、今や非B非Cの肝癌が注目されつつある。c型肝炎ウイルスに関しては、昨年ノーベル賞をとっている。ゲノム解析、ELISA法、PCR法。そして、インターフェロンフリーの治療法。この分野の発展は本当にすごいこと。2021/09/09
1
超面白い。皆読んで欲しい。1日で貪るように読んでしまった。分子生物学的手法を駆使したB型・C型肝炎ウイルスの発見(1つの病気として決定することのインパクトの強さよ)と、まさに日進月歩の創薬の歴史に感動した。これだけ専門的な内容を、初学者向けに書いてくれる本も珍しいと思う。○型肝炎というと、血液製剤の集団訴訟のイメージが強く、昔の疾病と思っていたが、C型肝炎は発見自体1989年で、輸血後肝炎の水準が著しく低下したのは2000年と比較的新しい。今後、例えば10年でどれだけ医学が進むのか、期待して止まない2021/12/11