出版社内容情報
物質を巨視的見地から考えることを主眼として構成した物理化学の入門書。〔内容〕物理化学とは/理想気体の性質/実存気体/熱力学第一法則/エントロピー,熱力学第二,三法則/自由エネルギー/相平衡/化学平衡/電気化学/反応速度
【目次】
1. 物理化学とは
1.1 物理化学とは
1.2 微視的性質と巨視的性質
1.3 単位について
2. 理想気体
2.1 はじめに
2.2 ボイルの法則
2.3 シャルルの法則(ゲイ・リュサックの法則)
2.4 アボガドロの法則
2.5 理想気体の状態方程式(経験式)
2.6 ドルトンの分圧の法則
2.7 気体分子運動論(気体の圧力)
2.8 マックスウェル-ボルツマンの速度分布
2.9 理想気体の状態方程式(理論式)
2.10 グレアムの拡散の法則
3. 実在気体
3.1 はじめに
3.2 圧縮率因子
3.3 アンドリュースの実験
3.4 実在気体の状態方程式1
3.5 臨界定数とファンデルワールス式
3.6 実在気体の状態方程式2
3.7 気体の液化
4. 熱力学第一法則
4.1 はじめに
4.2 熱力学で扱う宇宙と変換されるエネルギー
4.3 可逆過程と非可逆過程
4.4 熱力学第一法則
4.5 エンタルピー
4.6 熱容量
4.7 断熱過程
4.8 反応エンタルピー
4.9 標準生成エンタルピー
4.10 結合解離エンタルピーと平均結合解離エンタルピー
4.11 相変化にともなうエンタルピー
4.12 エンタルピーの温度依存性
5. エントロピーと熱力学第二,第三法則
5.1 はじめに
5.2 自発変化とエントロピー
5.3 エントロピーと第二法則
5.4 カルノーサイクルとエンジン効率
5.5 等温可逆過程におけるエントロピー変化
5.6 温度が変化するときのエントロピー変化
5.7 体積または圧力の変化に対するエントロピー変化
5.8 混合エントロピー
5.9 熱力学第三法則と絶対エントロピー
6. 自由エネルギー
6.1 はじめに
6.2 自由エネルギー
6.3 標準生成自由エネルギー
6.4 熱力学関数
6.5 マックスウェルの関係式
6.6 自由エネルギーと平衡定数
7. 相平衡
7.1 はじめに
7.2 相転移
7.3 平 衡
7.4 状態図
7.5 1成分系の状態図
7.6 混合物の状態図
7.7 液体-蒸気の状態図
7.8 相転移の熱力学的解析
7.9 化学ポテンシャル
7.10 束一的性質
8. 化学平衡
8.1 はじめに
8.2 化学平衡と平衡定数
8.3 平衡の移動
8.4 平衡定数を用いた平衡の移動の定量的取扱い
8.5 平衡定数と自由エネルギーとの関係
8.6 平衡定数の温度による変化
8.7 分配平衡
9. イオンを含む平衡
9.1 はじめに
9.2 イオンの活量
9.3 電解質溶液と電離平衡
9.4 溶解度積と共通イオン効果
9.5 酸と塩基の定義
9.6 水溶液中での酸と塩基
9.7 酸の平衡定数とpH
9.8 水の平衡定数
9.9 塩基の平衡定数とpH
9.10 塩の酸性度・塩基性度
9.11 滴定と指示薬
9.12 緩衝液
10. 電気化学
10.1 はじめに
10.2 酸化と還元
10.3 化学電池
10.4 標準電極電位
10.5 起電力
10.6 電池反応の平衡定数
10.7 電気化学系列
10.8 標準モルギブズ関数
11. 反応速度
11.1 はじめに
11.2 反応速度をどう表すか
11.3 反応次数
11.4 1次反応
11.5 2次反応
11.6 反応速度と温度
11.7 活性錯合体
11.8 素反応と反応機構
11.9 触 媒
12. 参考文献
13. 問題略解
14. 索 引
内容説明
本書は大学1、2年生を対象として、物理化学の基礎を理解、修得するための教科書として書かれている。教養課程の学生にも、また専門課程に進む人にも役立つ教科書である。また専門課程に進んだ人が振り返ってみるための参考書としても使用できる。本書は、物質を巨視的見地から考えることを主眼に構成されている。本書では途中に例題が含まれている。実際に数値を入れて考えた方が理解しやすい場合に例題という形になっている。また、例題以外にも、本文中で注意深く式の取扱い方がのべられている。さらに、各章末には演習問題が付けてある。