内容説明
明らかにされる統計学の危機的状況―新しい方法論で統計分析の沃野を拓け!
目次
第1部 瀕死の統計学(「統計学に有意」は必要条件にしか過ぎない―学述的価値に連動しない査読の基準;神の見えざる手―有意でも無意味な論文で学術誌は満載される;前門の虎・後門の狼―nは、根拠を示して予め定めねばならない;ゾンビ問題―「事前に決めた」という事実を、事後、永久に保証するのか)
第2部 統計学を救え!(ベイズの定理・「研究仮説が正しい確率」―比率の推測を例に;結論の言葉に真心を込めて―独立した2群の差の推測を例に)
第3部 教育そして悪意(セリグマンの犬―対応ある2群の差の推測を例に;改ざんと隠ぺい―黒洞洞たる闇の広がり)
著者等紹介
豊田秀樹[トヨダヒデキ]
1961年東京都に生まれる。1989年東京大学大学院教育学研究科博士課程修了(教育学博士)。現在、早稲田大学文学学術院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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好奇心の横断歩道を渡る!
2
統計的有意差を学術論文の掲載の条件に使った結果、再現性が無かったり、実質意味のない結果だったりする論文が、いわゆる一流雑誌にも大量に載ることとなった。そんなのダメだろ!統計的有意差なんか使うな!確率分布を使え!ってことで。とても良かった。そして、PyMC3勉強しててよかったと思った。2021/09/11
n-shun1
1
心理学研究の低再現性問題⇒有意性検定が持つ特徴⇒ベイズアプローチへ代替 なるほどと思う。できるなら自分もベイズアプローチへと思う。しかし,自分にできるという効力期待がない。 もう一度読んで自分で説明できるレベルに。そして,実際にやってみることが重要だな。2020/08/15
newneutralwater
0
・最近統計学を勉強しており、実用面における話題を扱った本を書店で探していたところ、この本が目に留まり、閉店間際で時間がなかったのでパラパラとめくり、悪くなさそうなのでその場で買った。大きな失敗だった。 ・この本に関して黒木玄氏がtwitterで批判しているのを読後に知ったが、私は氏の批判に全面的に同意する。 ・豊田氏は統計学の著作が多数あるようだが、氏の本を読んだのは初めて。最初にこれくらいおかしな本を手に取れたのは、他の著作を今後手に取らない決意をするのを容易にする意味で幸運だったと言えるかもしれない。2021/06/21
S
0
p値を用いた統計検定の問題点。p値自体の使いにくさもあいまって、正しく使われていないし、実際に論文として報告された社会心理学の実験の再現性の低さをもたらす原因ともなっている。代替案として、尤度モデリングを用いるべし、と提言。2021/06/20
meòrachan
0
面白かった.「幕間」を「読者への挑戦」に替えればよりミステリーっぽくて良いのに,と思った.2020/11/29