出版社内容情報
現代数学の基礎としての集合と位相空間について予備知識を前提とせずに初歩から解説。一般化へ進むさいには重要な概念の説明や定義を言い換えや繰り返しによって丁寧に記述した。一般論の有用性を伝えるため少し発展した内容にも触れた
内容説明
本書の目的は、集合と位相空間について基礎的な部分の解説をすることである。一般的な概念が生まれた動機付けを重視し、基本的な場合の考察から始めて一般化へと進むようにした。また、位相空間のコンパクト性や距離空間の完備性などについては、ユークリッド空間の場合をていねいに記述した。発展編では、読者に現代数学での使われ方にできるだけ早く接してもらうために、具体的な適用例をいくつかあげた。
目次
1 集合(集合;写像と関係;濃度;整列集合とツォルンの補題)
2 位相空間(ユークリッド空間と距離空間;位相と位相空間;連続写像と誘導位相;位相空間の種種の性質;距離空間)
3 集合と位相空間(発展編)(写像空間と関数空間;ユークリッド空間から派生する位相空間)
著者等紹介
森田茂之[モリタシゲユキ]
1946年東京都に生まれる。1971年東京大学大学院理学系研究科修士課程修了。現在、東京大学大学院数理科学研究科教授・理学博士
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感想・レビュー
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葉
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逆像ってこんな感じやったっけ?と思うくらい忘れてることが多かった。濃度についてもそれほど授業でやっていないところであまり自習していない範囲だったのでベルンシュタインの定理、ツォルンの補題が課題である。位相はチコノフの定理、アレキサンドロフの定理が抜けていた。集合と位相空間の発展はまだ自分には厳しい部分が多かった。2014/12/15
よく読む
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学生の頃に取り組んだときよりは、抽象的な概念を、抽象的なものとして、理解できた。しかし、次々と出てくる抽象的な定義を覚えていくだけでも困難であり、後半に至っては証明を飛ばすことも多々あった。何が明白で何が明白でないのかわからないことが多く、その感覚はまだ自分には培われていなかった。演習問題は取り組んでいない。駒場の解析の教員がトポロジーの専門だったが、それに関するテーマにも終盤に触れられていた。懐かしくなった。2025/01/01