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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミユ
38
白河院の養女で鳥羽天皇の中宮、崇徳院と後白河院の母である待賢門院璋子をメインとした短編集。冒頭の話「夙夜」で少女の頃に藤原李通と叶わぬ恋をし、彼の今後のために「もう二度と貴方の名前を口にしない」と誓った彼女が「残の月」でその生涯を終える最期に呼んだその名が切ない。お気に入りは「韓紅」、璋子の第二皇子とその乳母の話。目の不自由な皇子のためにする乳母の心遣い、そしてそれをちゃんとに理解している璋子がいい。母としての璋子は「夙夜」とはまた違った美しさがある。西行法師の話も収録されている。2016/07/05
ゆり
6
連作短編を読み終えてみるとすべて待賢門院璋子という女性つながりの平安ラブロマンス。何か聞いた名前……と考え、ああ、百人一首の女房の名前!と(後にその女房本人も出てきました)。最初のあどけなさの残る可憐な院の姫と遊びなれた貴公子季通の純愛が美しくそれだけに結末が切なくつらかった。乳母やが罪作りだなと……。最終話で女院が夢の中で呼んだ名がまた切なくて。忠通の話以降季通の消息が絶えてしまうのがやりきれない!(あのお話の院の姫達の心配りがよかった)美しく気品のある女院として、母親としての彼女の姿もまた良かった。2017/06/10
punto
4
待賢門院璋子を中心とした短編集。この人の存在がある意味歴史を動かしているのが面白い。『宿神』では西行の相手役立ったけど、本当はどういう人だったんだろうなあ。2014/01/06
hrn
4
待賢門院璋子を中心とした短編集。璋子=毒婦というイメージが先行しがちだけど、この作品ではおっとりかわいい系。個人的にはルクレツィア・ボルジアのイメージ(自分の意志とは無関係に権力者や身内に振り回されたヒト)とダブる。角田先生の御本を再読したくなった。2009/09/09
Mana
2
待賢門院璋子がらみの短編。ちょうど大河ドラマの放送してるあたり。重なってる登場人物もいるけどキャラクターは大分違うかな。切ない話が多くて皆純愛。けっこう哀しい。2012/03/10