感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
井月 奎(いづき けい)
41
歴史や(文法などが大きく異なる)古典に命を吹き込むのは受け取る側の責任です。しかし千数百年前の出来事や人の営みに血を通わせるのは容易なことではないのですが、時として優れた創作家は鑑賞者をうまく導いてくれます。芸術家は神を超えることもあるのです。天智天皇の孤独、大友皇子が時代から見捨てられる様子、天武天皇の苦悩と覚悟……それら人の世の業、為政者が持つ運命の過酷を読者に知らしめます。(たぶん作者の創作であろう)大友皇子に仕える田辺史の心が凍る様子、そしてそれが涙とともに氷解するところは鼻の奥がいたくなります。2020/03/08
みのにゃー
4
処分前の再読。古代といえば『日出処の天子』が有名だが、こちらも負けないくらい面白いし美しい(健全というか正統派というか)。連作短編集。2020/06/21
まひる
2
お薦めをもらって読んでみましたが、歴史的な事もその男達に翻弄される女達も戦国時代と変わらず悲しい運命を感じた。絵が綺麗です。2012/08/12
waraby
1
天智天皇の息子、大友皇子に仕えた、史(ふひと)を中心に。史は、田辺大隈の甥(実在の人かどうかちょっとわからない)。 後半、天武天皇の長男、高市皇子の話も。2012/12/16
ひまわり
1
ずっと読みたかった本。20年ぶりくらいに読んだけど、新鮮だった。2011/12/16