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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
18
勝頼の敵は信長では実はない。偉大なる武将、父・信玄なのだ。信玄がすでにこの世の者ではないからこそ、勝頼の前から信玄は永遠に消え去らない。その息子・信勝も同じ。影武者・和助の死は、自分の身代わりだ。自分と同じ容姿の人間の死は、自分の死と何が違わないのか。親子が見失ってしまっているモノ、そこに歴史は容赦なく刃を向ける。2017/06/10
トラシショウ。
14
信勝に襲いかかる深夜の襲撃者。心を通わせあったばかりの影武者の和助が呆気なくも凄惨な最期を遂げ、信勝の一計に乗じた土屋惣三らの迎撃に加担する中でレイリの経験する、初めての殺人=実戦。これを乗り切ったのも束の間、岡部丹波の出向していた高天神の去就を巡る二つの正反対の文書が武田の陣営を震撼させる。救援か静観かに揺れる会議に割って入る信勝の知略とは。かつて野武士達に蹂躙され、奪われた家族の命。ようやくこの暴力に対等以上に立ち向かう力を得た筈のレイリの胸中に去来するのは、喜びとは違う虚しさ(以下コメ欄に余談)。2017/04/11
まめむめも
13
初読。戦闘シーンも信勝が意見を言うシーンも、格好良かった。2017/04/19
うめ
11
偉大なる父を持った息子は苦しい。だけど幾ら父が偉大でも、息子がそうとは限らないのは事実。だって半分母の血が混じってるのですが。名を歴史に刻む有力者も、敢えて世に名を残さない様な実力者も、築き上げた地盤や財産を遺す子を為すために選ぶ嫁に譲れない条件の優先順位が必ずしも容姿でないのはここの事実からも明らかだなと思った。容姿は後からどうにでもなるが、積み重ねた知性は一晩では身につかぬので女の子も勉強をちゃんとするか、一芸をきちんと身に付けたりしたほうがいい。2019/01/20
紫雲寺 篝
11
信勝の影武者の一人、和助が射殺された。影武者としての実感を今更ながら感じるレイリと、自分の背負うものの大きさをひた隠し虚勢をはる信勝。信勝を狙う襲撃がもう一度……!!信勝の本心がやっと見えたような気がする。しかし、レイリ、そして惣三の剣戟は見応えがあったなぁ。大ゴマ連発で目が離せない。読み易いし。その後の織田信長の策略と思しき書状に関する話も良かったな。歴史に詳しくないので、この程度だとすごく読み易いしわかり易い。ただレイリと信勝が似てるのは当たり前なだけに、どちらか分からなくなる。読者も騙してきそう。2017/05/07