内容説明
内には和の表徴外には勇猛果敢であれ。壮大な源平争乱のドラマの中できびしく自分を律しつつ、弟義経の二の舞は演じず兄頼朝の冷酷な処遇を跳ね返して、己の望む境地に開花する蒲冠者範頼の生涯を描く歴史長編。
感想・レビュー
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ヘムレンしば
3
源頼朝の弟義経の兄であり平氏追討の総大将である源範頼を主人公にした歴史小説です。義経や頼朝に比べて何故か地味な存在ですけど、癖のある坂東武者達を取り纏めてきたのですから、控えめでありながらも大将の器を感じさせる内容となっております。源平合戦のクライマックスと言えば、屋島・壇ノ浦の合戦ですが、範頼は九州にいたので傍目から聞き知ったような体裁で語られています。今までに無い視点なので何か面白かったです。蒲御厨は浜松にあるのですが、範頼については殆ど知られていないです。なんだか寂しいもんですね。2014/11/30