感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
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久米元一訳。ミステリの元祖にふさわしく、全集の第1巻を飾るポオの作品集。現代の目からは、大したトリックではないと思われそうだが、実作品を読めば、それをフォローしてあまりある内容と構成。「ぬすまれた手紙」のラストなど、メイントリックよりも気がきいていて、後世のミステリにも影響しただろう。「こがね虫」も暗号以前に、こんなにおもしろい物語だったのかと再認識した。「モルグ街の怪事件」は、昔読んだ記憶よりも複雑で、作品としても優秀だと思った。これが世界初なのだから、ポオを「元祖」扱いするのも当然だろう。2019/12/15