出版社内容情報
小学3年生のゆうとは、ふみきりでペンギンの話を聞く。るりは、白いヘビのうわさを確かめたい。ななこは、鏡のなかのライオンと会う。そうすけは、天気占いをするフクロウが見える。「ふつうってなんだろう?」という不安な気持ちにたいして、決めつけず、気にせず、それぞれの子どもたちの自分らしさを肯定する。おくはらゆめの作絵による、やさしい物語。版元を超えて活動する「らいおんbooks」編集による読み物作品の第二弾。
内容説明
ゆうとはペンギンの話を、るりは白いヘビのうわさを、ななこは鏡のライオンを、そうすけはフクロウの占いを、聞いたり、見たり、かんじたり…。「ふつうとは?」を決めつけず、それぞれの自分らしさを肯定する、ある町の小学三年生の物語。
著者等紹介
おくはらゆめ[オクハラユメ]
1977年、兵庫県生まれ。辻学園日本調理師専門学校卒業。『くさをはむ』(講談社)で講談社出版文化賞絵本賞を、『シルクハットぞくはよなかのいちじにやってくる』(童心社)で日本絵本賞を、『わたしといろんなねこ』(あかね書房)で小学館児童出版文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
155
不思議なことが起こっている。子どもはそれに気づいている。大人になると見えなくなるけど。誰もいない公園、学校の隅っこにある大きな鏡、想像するだけで少しドキドキするお話は、それほど怖いものではなく、なぜか愉快なもの。友だちは一人だけではないし、友だちはいろいろ。いろんな考え方や思いがあって、みんな得意と苦手があって。同じものなのに面白かったりつまらなかったり、理由はよく分からないけど、みんな違うみたい。ふつうってなに、それもよく分からないし、ふつうじゃないも分からない。それぞれの立場を尊重するって大切なこと。2025/05/21
☆よいこ
90
児童書。登場人物は3年生だけど幼い印象▽左利きをバカにされたゆうとは、ふみきりのバーについたひらひらを握ってパワーを充電する。ふみきりの向こう側に鉛筆を握った右利きのペンギンがいた/るりはななこと一緒にへび公園の謎を調べたいと思っていたのに、ケンカしてしまう/鏡の中にライオン/ふくろうが図書館で下駄を飛ばして天気占い▽ちょっと不思議なものが見えちゃうファンタジー。ぐるっとまわってハピエン。みんな色々考えちゃうけど優しいね。2024.10刊2025/05/23
anne@灯れ松明の火
26
新着棚で。大好きなおくはらさんの、絵本でなく児童書。小学3年生の ゆうと、るり、ななこ、そうすけは、それぞれが引っかかる気持ちを抱えている。「ふつうってなんだろう?」という不安な気持ちは大人でも持っている。小学生なら尚更だ。ゆうとの姉・小6のさき、図書館司書のいなばさんの存在や言葉が、るりたちの背中を押す。不思議なものが見えたり、見たいと思ったり、ケンカをしたり、仲直りをしたりという日常。小学生の悩みに寄り添って、明るい気持ちにさせてくれる作品。さすが、おくはらさん! 絵も、ほのぼのして、大好き♪2024/11/15
葵
25
#NetGalleyjp。児童書。今年の読書感想文コンクール課題図書。小学生達がそれぞれ出会う不思議な出来事。ふみきりで、ペンギンに左利きを馬鹿にされた子や、公園のヘビの遊具のベロが出るという噂を調べる子、その子に「ふつうじゃない」と言ってしまった子…七編のそれぞれの小学生のお話が、最後には輪になった印象。「ふつうってなんだろう」と考えさせてくれるお話。正直、多様性をあんまり声高に押し付けるものにはちょっとウンザリするのだが、このくらいふんわりならいいかな。大人は「ふつう」って使いがちだから気をつけねば。2025/05/24
Yemi
20
友達との関係に悩む子供たち。大人になっても人間関係という悩みは尽きない。不思議なことが起きるファンタジー的な内容はよいのですが、子供たちは深いところまで読み取れるのかとは思いました。 課題図書なんですね。2025/06/01