出版社内容情報
夢で育てたひょうたんの実を手にした瞬間、古代へタイムスリップしたサキ。そこで不破麻呂という男に出会い、恋をしたサキは…!?
小学校高学年以上向き
内容説明
サキは、ゆっくりと体を浮かせてみる。すると、ふわりと宙に浮かんだ。飛べる。窓から外に出る。旅が、始まるのだ。はるかなる時の恋歌。
著者等紹介
芝田勝茂[シバタカツモ]
1981年、「ドーム郡ものがたり」でデビュー。「虹へのさすらいの旅」で児童文芸新人賞、「ふるさとは、夏」で産経児童出版文化賞受賞
佐竹美保[サタケミホ]
SF、ファンタジーなどの分野で多くの作品を手がけている
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
seri
57
題名と巻末の引用で、もしかして…と思い、手に取った一冊。やっぱり竹芝伝説の話!多少力技に過ぎるような部分もあるけれど、読後の胸を突く切なさを含め児童書として綺麗にまとまってる印象。原典を大事にしつつ史実を上手く絡めてる。難を言えば「我さるべきにやありけむ」の皇女の言をもっと生かして欲しかった、とかあるんですが。でも「なりゆき」という、言葉は悪いけどひとつひとつの出来事に真摯に向き合い、心の声に素直に従うその強さ、ひさごを鍵とする精神世界、物語構造の巧みさ、確かに響くものがある。小さい頃に出会いたかったな。2014/04/22
星落秋風五丈原
23
サキは瓢箪のつるを誤って切ってしまった。そしたらある日空を飛べるようになっていた。ふわふわと飛んでいたサキが水浴びをしていると見知らぬ男が彼女のパジャマを持っている。武蔵の不破麻呂と名乗る男はサキを天女だと思い込み、酒をごちそうし、ひさごを見えるようにかかげると約束する。更級日記に地方の物語として載っているこの武蔵の国の姫ぎみの駆け落ち話をベースに描かれた。2002/03/30
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
13
奈良時代にタイムスリップしてしまった中1のサキ。ひょうたんに連れられて武蔵国についたサキは、不和麻呂という男に天女と間違えられます。1度は現代に戻るサキですが、不和麻呂に思いを寄せ奈良時代に戻ります。すると、今度は聖武天皇の息女になっていて、不和麻呂は衛士になっていました…。文中に更級日記があるので、タイトルはそこからかしら?2020/08/20
りー
8
若干強引な設定が気にならない楽しさで一気読み。ガーデニング少女が栽培していた瓢箪に魂を乗せて聖武天皇の頃の武蔵野へタイムスリップ!いやー、感慨深い。奈良時代の武蔵野が物語になるなんて。嬉しいなぁ。と、思っていたら、物語は都に飛び、宮子さん(ダシャレじゃありません)が登場。そして更級日記につながる。港区の済海寺かー、今度行ってみます!2019/03/03
つき
8
夢の中で育てたいひょうたんを手にした瞬間、古代にタイムスリップしてしまったサキ。サキはその時代で不破麻呂に出会い、恋に落ちる。不破麻呂に逢いたいと願ったサキは、再び古代へと飛んで行くのだった。 あんな運命って哀しくて苦しい。それでも前に進んで行こうという気持ちが読んでいて芽生えてくる。ただの恋愛ファンタジーじゃない。2018/08/28