出版社内容情報
良夫さんが酒屋のおばあさんからあずかったつぼの中には、おいしい菊酒をつくる小人の家族が…。
小学校中学年以上向き
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
162
人は欲に溺れる。一度手に入れると更なる欲が生まれ、それも欲しくなる。もう少し、あと少しならいいんじゃない。別に悪いことをしているわけではない。皆が喜んでいるからいいだろう。…おばあさんとの3つの約束が、時とともに薄れていく。裏切り、後ろめたささえも失った2人の行く末はいかに。…家のどこかに見覚えのない古い壺はありませんか。花で縁取られたハンカチを広げてみませんか。出ておいで出ておいで♪聞こえてきませんか。安房直子さん、1973年の童話です。あなたは約束を守り続けられますか?そんな問いかけが聞こえてきます。2021/09/06
へくとぱすかる
64
かつて読んだときのことを、もうすっかり忘れてしまっていました。あらためて当時そのままの装丁の版で読むと、書かれた時代の雰囲気までも伝わってきそうです。よくあるパターンの物語と思わせておいて、実はファンタジーとしての新しい試みを感じました。ラスト近くで、あっと思わせる展開になり、どうなることかと思いましたが、こんな「別世界」もあるんですね。2017/02/03
ちえ
46
古いつぼから出てきて一枚のハンカチの上に種を撒いて菊酒を作ってくれる酒作りの小人の一家。おばあさんからつぼを預かった郵便やさんは悪気はないけど約束を忘れてしまいます。そのうちに自分に都合の良いように言われたことや小人達の事を解釈するようになって。誰にでもありがちで、でもそれが怖いことに繋がってしまいます。最後は夢かな、という感じでもあるけれど安房さんの不思議でとらえどころがない世界、行ってみたいような、行くのが怖いような…。2020/01/26
ちえ
41
2023年1冊目は安房直子さんの童話から。ハンカチの上に小人たちが作る菊の花畑。色とりどりの菊の花で作られる菊酒。約束を破り欲に捕われた行先は…。帰れない世界、空から聴こえてくる声。なんとも不思議で恐ろしく美しい安房直子さんの世界。2023/01/02
Totsuka Yoshihide
24
ストーリーと挿絵が素晴らしい。大人も楽しめる絵本。菊酒飲んでみたいな(笑)2022/01/15
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