感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おゆ
1
河合隼雄「子どもの本を読む」より。著者本人による素朴で繊細なタッチの表紙や挿画が美しく、本文は短いというよりもやさしくシンプルにまとめられていて、小学生でも読み通しやすそう。一方で、幼い双子姉妹の微妙な力関係や、仲良しのお友達をめぐる鞘当ての様子が、ごくあっさりとかつ残酷に描かれている。狭い世間しか持たないこの年代特有の息苦しさと、身近なきょうだいとだけ分かち合える喜び。さらには、それを失ったときの大きな喪失感。萩尾望都「半神」を思い出す。これで絶版はもったいないです。2016/08/31
