出版社内容情報
ママの死を知ってから、ショックでパパと喋れなくなった小学3年生の楓は、学校の帰り道、光を放ち、言葉も喋る石と出会う。驚いた楓が石を持ち帰り、部屋でこっそり会話をしたのだったが、その様子を目撃したパパは、ママと一緒に化石の森で見た命と石の大きな循環を話す。手の中の石に命の不思議を見出した楓は、石とのおしゃべりでママの声を聞いたように思い、はじめて心に明るい気持ちが戻り、再びパパと喋り出すのだった。
内容説明
「きみ」はどこからやってきたの?学校からの帰り道にみつけた、ふしぎな「ともだち」。小学生の楓は、石のひみつにふれて、消えることのない命のかがやきに気づく―。悲しみと再生を描いた、ひかる石の物語。
著者等紹介
小手鞠るい[コデマリルイ]
作家、詩人。1981年「詩とメルヘン」賞、1993年「海燕」新人文学賞、2005年『欲しいのは、あなただけ』で島清恋愛文学賞、2019年『ある晴れた夏の朝』で小学館児童出版文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
83
児童書。小学3年くらい〜。楓は学校の帰りに、ほんのり光る石を拾った。石に話しかけると答えてくれるような気がした。楓のママは死んでしまって、いない。悲しすぎて楓はしゃべらなくなった。でも、石に話しかけると楽しかった。ある晩石に話しかけている楓に、パパがママのことを話してくれた。ママは登山が大好きで、恐竜や化石のことも詳しくて石が好きだったと。「だまっているように見えるけど、ほんとうは、石っていうのは、もの知りで、おしゃべりなのかもしれないぞ」▽ステキな話でした。2021/04/29
J D
35
表紙絵に魅力を感じ手に取りました。ルビのふられた本を読むのはいつ振りだろうか。こころが温まる本でした。多くの小学生に読んでほしいなと思った。たくさん話せるようになって良かった。石にも興味が湧きました。2022/05/17
shiho♪
28
図書館新刊棚で。挿し絵が多く読みやすいので、読書苦手な子にも最適。中学年向き。 母を亡くしたショックからことばを失った少年・楓。学校からの帰り道、不思議な丸い石を見つけます。 登山家のお母さんも石が大好きだったと知り、繋がりを感じた楓。徐々に立ち直っていきます。 小さな石はもしかしたら宇宙からきた隕石かもしれない、もしかしたら恐竜に踏まれていたのかもしれない…。そう考えると何かとても大きなものに包み込まれているような感覚になります。 きっと楓もお母さんと石をそんな風に重ねて感じているのでしょうね。2021/09/25
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
24
小学校3年生の楓くんは、お母さんを亡くしてからしゃべらなくなりました。お母さんは死んだんじゃない、という気持ちが、心の中に大きなかたまりになってしまったのです。ある日の学校からの帰り道、楓くんはまんまるい石を見つけます。それは暗いところでかすかですが光る石。持ち帰り部屋で大切にしています。石に語りかけると返事があるように思えてきます。そして石と語っているとき、お父さんに見つかり…。 受け入れがたい現実を受け入れた時、命の重みと輝きに気づくのですね。 化石の森、行ってみたい。2021/05/12
頼ちゃん
13
短いが、とてもいいお話だった。パパがお母さんの話をするところがとてもいい。2021/05/20
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