出版社内容情報
お金持ちの家やびんぼうな家があるように、日本にも社会格差はある。本書では上流階級、中産階級、労働者階級という3つの階級について、それぞれの特徴が明るいイラストでこまかに描かれ説明されている。なぜおなじ人間なのに格差ができてしまうのだろうか、社会格差がない世界はあるのだろうか。巻末には、社会学者・橋本健二氏によるオリジナルコラムを掲載。若い読者に自ら考えることを誘いかけるスペイン発の社会絵本。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
♪みどりpiyopiyo♪
52
なぜ同じ人間なのに格差ができてしまうのだろう、社会格差がない世界を実現するには…? ■私達の社会を考える絵本を読みました。40年ほど前にスペインが民主主義への第一歩を踏み出そうとしていた時代に作られた、社会を考える絵本シリーズの1冊です。■「力尽くで他の人の上に立ち利用する人は昔からいた」どの時代のどの国にも普遍の問題。支配と搾取やめない強欲な人から、社会を、そして私達の暮らしを守るにはどうしたらいいのか、みんなで考えていきたいですね。(1978年 スペイン。2015年 新版。2019年 日本語版)(→続2020/12/31
たまきら
39
ヨーロッパの出版物(70年代初版)なので、中産階級はブルジョワジーでしょうか。我が国なら貴族、資本家、労働者といったくくりかな?けれども基本的な仕組みに変化はなく、格差は埋まる気配がない。それでも人はそこで生きていく。ささやかな幸せを大切にしながら。私が嫌なのは労働者でいることではない。搾取されるシステムに逆らえないことだ。また団結しないといけない時期が近付いている気がする。2022/12/23
ヒラP@ehon.gohon
29
どうして社会格差は生まれるのか? 自分はどの階級にいるという認識を持っているのか? 自由だ平等だと言っていながら、決して自由でも平等でもないこの社会と、どの様に向き合っていくのか? 解りやすく説明説明していながら、最終的には読者に考えさせている、納得の学習絵本です。 いろんな観点で意見交換できる取っ掛かりになると思います。2020/03/21
わむう
28
「あしたのための本」セット。4冊の中の1冊。40年前にスペインで出版された本。「この本をきっかけにひとりごとひとりが自分の頭で考え、平等な社会をつくるためにはどうしたらいいか考えてほしい」という願いが書かれています。2020/10/22
りょうみや
22
絵本コーナーで目について手に取った。絵本だが小学校低学年にとっては難しい、おそらく高学年か中学生向けだと思える。社会の構成が上流階級、中産階級、労働者階級に分かれており、世の中は上流階級が動かし、階層を固定する方向に持っていこうとしており、階層間の争いがあることを伝えて、著者は読者に少しでも平等な社会の実現について考えてくれることを願っている。また、風刺的な内容の絵が考えられておりページをめくるごとに細かいところまで眺めてしまう。4冊シリーズになっていて、他に民主主義、独裁、ジェンダーの内容のものがある。2019/08/28