出版社内容情報
風の強い冬のある日、子どもが原っぱで凧をあげようと、こおった道を歩いていると、風の音に交じり、「きょうの虎あでえかいぞう……」と恐ろしい声が聞こえてきました。冬の烈風を幻想的に描いた絵本。
内容説明
虎追う笛は、虎狩り笛、追えよ大虎、追いだせよ。ふけよ竹笛、虎落笛。
著者等紹介
富安陽子[トミヤスヨウコ]
1959年、東京に生まれる。和光大学卒業。『クヌギ林のザワザワ荘』(あかね書房)で日本児童文学者協会新人賞・小学館文学賞、「小さなスズナ姫」シリーズ(偕成社)で新美南吉児童文学賞受賞
梶山俊夫[カジヤマトシオ]
1935年、東京に生まれる。『風のおまつり』(福音館書店)で世界絵本原画展(BIB)金のリンゴ賞受賞、『いちにちにへんとおるバス』(ひかりのくに)で講談社出版文化賞、『あほろくの川だいこ』(ポプラ社)で小学館絵画賞、『こんこんさまにさしあげそうろう』(PHP研究所)で絵本にっぽん大賞、『わらべうた』(福音館書店)でブラチスラヴァ世界絵本大賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yomineko@ヴィタリにゃん
52
大きな凧を持った男の子は、不思議な声を聞くが、怖くて泣いてしまう。泣き疲れて見れば、何も問題ない。だが、最後に「また虎落笛を吹きにおいで」と声がした。確かにした。2024/03/06
千穂
35
冬の木枯らしが竹林の中で共鳴して悲しげな音を立てていたのでしょう。凧揚げに来た少年はドキドキ、怖くなってしまいます。虎落笛もがりぶえという言葉も、冬の季語であることも初めて知りました。2017/10/19
ちえ
31
【梶山俊夫さんの絵本を読みたくて】富安陽子さんの創作だが、ざわめく風の音の中、笛の音や声が確かに聴こえてくる。子供時代に誰もが覚えている怖さが、文章と絵で伝わってくる。2025/03/09
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
17
寒さ厳しい冬の日、男の子は新しい凧をあげたくて原っぱに急ぐ。がらんとした原っぱは強い風が吹き、その風の音に交じって声が聞こえる。気味悪いその声は男の子と戯れたいだけなのかもしれないが、得体のしれない恐怖が襲い、それでも声の言う事を聞かなくてはならない怖さ。冬のさなか竹林をわたる虎落笛のおはなし。2020/12/08
遠い日
11
寒風吹きすさぶ冬の草原で、ひとり風と向き合う子ども。新しい凧を揚げにきた原っぱで、不思議な風の声を聞く。自然と対峙した原体験のような世界観。自分の全てをさらけ出さないと、許されないようなできごと。風はこの子と戯れただけ。厳しさの後の例えようもない大きな包み込む力。自然の懐の深さが感じられて鳥肌立つような思いがする。2017/10/17
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