出版社内容情報
戦時下であっても、人間性を失わない音楽家Oじいさんのチェロの響きは、人々にやさしい気持ちを思い出させ、勇気を与えてくれるのでした。
小学校低学年以上向き
内容説明
わたしの街は今、戦争にまきこまれているの。街にいるのは子供と女性と老人と病人たちだけ。とってもこわいおもいをしているわ。ある時、いつも『オー』っておこるおじいさんが、広場でチェロを弾いてくれたの。みんな、生きてく勇気をもらったみたいだった。ところがある日、爆弾がOじいさんめがけてとんできたの…。
著者等紹介
カトラー,ジェーン[Cutler,Jane]
1936年、アメリカ、ニューヨークのブロンクスに生まれる。ノースウエスタン大学で英文学を学び、サンフランシスコ大学でクリエイティブ・ライティングの修士となる。子ども向けの本で数々の賞を受賞している。現在は、カリフォルニア、サンフランシスコに住んでいる
コーチ,グレッグ[Couch,Greg]
ニューヨークに住むイラストレーター。作品に『Wild Child』『The Palm Tree』等がある
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紫 綺
54
戦争の街に暮らす女こども、老人。いつものO(オー)と怒鳴り怒っていたおじいさんが、爆撃を受けた街の中心で素敵なチェロの響きを聴かせてくれた。その演奏に人びとは癒された。ところが…。音楽は戦争を駆逐する平和の武器となるんだな。2023/08/20
gtn
23
芸術は政治に優る。至高の芸術は、恣意が入り込む余地がないから。確実に千差万別の人の心を掴むから。2022/11/11
わむう
14
戦争の話とは知らずに読みました。苦手だと思っていたOじいさんのチェロとハーモニカに爆撃を受けた町の人が励まされる。「音楽があればわたしたちはがんばれる」という女の子のセリフにジーンときました。どんなことは起こっても文化は消えないし残そうとする人間の強さに感動。2016/05/20
紅花
14
戦争の中で感じる女の子の素直な気持ち。様々な勘定。直球で悲惨さを訴えるのではなく、今の子供にはこのぐらいが受け入れやすいと思う。2016/03/10
mntmt
13
音楽は何のためにあるのか、考えさせられます。2020/05/01