内容説明
本書は、ロールズに代表されるリベラルな正義論を批判的に検討し、より自由で公平な社会を実現するために、既存社会主義の「失敗」を踏まえ、新たなる社会主義的正義の構築をめざす。
目次
第1章 なぜいま正義か?
第2章 正義と平等
第3章 現代正義論の諸前提
第4章 現代正義論の新展開
第5章 正義論史概説―プラトンからマルクスまで
第6章 ロールズ、ノージックから社会主義的正義論へ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
デンプシー
2
この本は微妙かな。著者の考え方(捉え方)に賛同できないのと、本の構成が良くわからなかったことが理由。前者について。著者が拠って立つ近代西洋流の進歩主義、コミュニタリアンへの曲解(彼らはそんな主張はしていない)、的外れに思われる環境主義への懸念、ロールズの考え方の(恐らく)誤解等、読んでいて疑問に感じる点がいくつもあった。後者については、唐突に本書の軸となる概念が提示されたと思えば、終盤の著者の主張ではその軸とはあまり関係のない考えが提示され、結局何が言いたいのか良くわからなかった。著者の「正義」is何?2022/06/02
鹿島
1
良いこと書いてなかった2011/05/06
sibafu
0
あとがきにあるように、交換的正義、配分的正義が日本で成立していなくて、社会の不平等によって生まれる弱者を守るような正義論が根底にある一冊だったかもしれない。ただ、こういう法学的でもある本は慣れていないので、よく理解できなかった。2012/08/20