感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Rion
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戦後と70年代の講演を収めたもの。当時の言論の状況、また民主主義に対して人々はどのように考えていたのか新たな疑問となった。「実感の問題」の章も、学生が「日常的な起伏のうちに比較的に鮮やかな地滑りが生じたにすぎない」といった敗戦の実感の欠如、「非常に冷静である」若者の精神への指摘があった。敗戦に対して、学生たちと「冷静になれなかった」人々の間にはどのような違いがあるのか気になる。戦争を正しく葬るためにファシズムを根こそぎにし、民主化を徹底すべしとの指摘があるが、現代の日本はその道を歩めているのだろうか2015/08/20