内容説明
「核時代」「バイオ時代」の危険と闘う運動のさなかに倒れた著者が、マルクスに深く学び、現実の課題と取り組みつつ、社会変革と実践的唯物論の発展に捧げた生涯を語る。戦後思想史・社会科学史、そして市民運動への貴重な証言。
目次
「実践的唯物論」への助走
「実践的唯物論」の形成と展開
「実践的唯物論」による実践と理論的探究
核時代・バイオ時代における「実践的唯物論」の課題
著者等紹介
芝田進午[シバタシンゴ]
1930年金沢市生まれ。1953年東京大学卒業、法政大学助手。1956年法政大学専任講師(社会心理学)。1957年法政大学助教授。1967年法政大学教授。1975年法政大学教授退職。1976年広島大学に教授として赴任。1993年広島大学退職、岡山女子短期大学教授。1996年聖泉短期大学教授
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感想・レビュー
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ゆう。
14
芝田進午が、自らの研究者人生を振り返った本です。芝田は社会福祉や保育において非常に影響力を残した哲学者でした。『人間性と人格の理論』からはじまり、精神労働や公務労働を論じた諸論文は、学ぶものがあると思います。また、自らの唯物論を「実践的唯物論」として、史的唯物論や弁証法的唯物論に異を唱えたことでも有名です。また、社会運動にも大きな影響を及ぼした人でした。僕は、芝田理論は鵜呑みにしてはならないと思っていますし、批判的にのりこえる必要があると思っています。そのうえでも、芝田自身が語ったこの本は面白かったです。2015/01/15