感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まえすとろ
14
2巻完結の下巻。ゲストの妖怪、精霊など次々に登場してダイナミックな展開に。絵柄がソフトなタッチなので残酷になりがちな戦闘の描写もコミカルに描かれているものの、戦史を知っている読者ならば、その部分にシニカルなニュアンスがあることに気が付くだろう。最終話においてそれまでの線状が上手に回収されているのは読んでいて気持ちが良い。上下巻一気に読んでしまった方がストーリーをより明確に把握できる。2013/06/17
傘緑
11
「横車を押し通すのが共産主義者!」ポップな絵柄と、ニッチな主題、そして士郎正宗的狂気が漂う詳細なかき込みと、伊藤計劃をして「天才」と言わしめた速水螺旋人。最近あろうことか『大砲とスタンプ』が当たってしまい(!?)彼が遠いところに行ってしまって、少し寂しい。けどチェキスト編集者の督戦で慣れない四コマに突撃した『スパイの歩き方』のおかげでバブルが沈静気味なので万々歳。これこそ「砕氷船のテーゼ」ww「革命の小休止」ブレスト・リトフスク条約なりww雷神のいねむりにかけて、資本主義の妖怪が彼の心に徘徊しませんように2016/10/12
黒川ケンキチ
5
ロシアフォークロアと東部戦線の組み合わせが読めるのは速水螺旋人先生だけ!2013/03/21
okaka
4
半端ではない知識量が注ぎ込まれていながらもサラリとまとめている所が上品だなあと。「大砲とスタンプ」の様な架空世界物も良いけれど、このような実際の歴史を舞台にした作品ももっと読みたいところです。イラストコラムも1巻と同様の面白さだけど、もっと大きい判型でないと目が、目が!2013/04/05
印度 洋一郎
4
ソ連軍のユダヤ系政治将校と徴用されたスラブの魔女っ子が、ドイツ軍やスラブ伝承のもののけ達と戦うミリタリー・ファンタジー。水の妖精(舟幽霊みたい)ルサールカ、聖なる獣神「熊」と出て来るもののけ達も新鮮だ。加えて、英雄イリヤ、聖ゲオルギィなどロシアのフォークロアのキャラ総進撃の感も。特にベルリンでのドラゴンVSゴーレムの決戦には燃えた! しかし、ホロコーストやヒヴィスなど東部戦線の闇も、ほのぼのとした画できっちり描いている。ちょっと登場するベリヤも、さもありなんなキャラで笑った。これで終わりとは残念だ! 2013/03/24