感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
傘緑
11
「横車を通すのが魔女!」褐色のファシズムと赤色のファシズムの衝突した独ソ総力戦、とうとう人間以外の戦力も招集・動員され、内務人民委員部所属(もちろん上司はあのベリヤ)の共産主義者ナージャと熊神の加護をもつ魔女ワーシェンカの不思議な凸凹コンビが、全体主義と妖怪の徘徊する最前線を駆け巡る。そこに勿論オカルト好きのヒムラーと愉快な仲間たちが一枚かんできて…スラブ神話とゲルマン神話が入り乱れてのワルプルギスの大混戦をくり広げる。さて呼称に「ニェーメツ」を使う作者のロシアへの愛情は、雷神のあくびにかけて本物ですぞ 2016/10/11
まえすとろ
11
第二次大戦時、ロシア民話に登場する魔女が兵士として召喚され「大祖国戦争」を通してロシアの妖怪たちと遭遇しながらドイツの首都ベルリンまでの道のりを描くホンワカ戦争ファンタジー。節毎に納入されるコラムはミリタリーマニアの筆者だけあって、その薀蓄は多義に渡る・・・も、判が小さいのでみっちりと書かれた解説の字が細かくって、老眼が入っちゃったオジサンには読むのがしんどく、ちょっと酷ww。 2013/06/17
okaka
7
本編もさることながら、宮崎駿の「雑想ノート」を思わせるメカコラムが強烈に面白い。以前「呪われたナターシャ」という本を読んでロシアには未だに呪術治療家がいると知ってビックリした事があるけど、ロシア的なオカルト観についてももっと掘って欲しいなあ。2012/06/07
ねんこさん
6
未だハリウッド映画的なステロタイプ悪玉論で語られることが多いソ連軍ですが、速水先生が描くと従来のイメージも踏襲しつつ人間臭さも加わって何とも言えない味わいに。フォークロア要素を加味することで、よりロシアの土臭さみたいなものが出て来てとても素敵な作品に仕上がっています。2012/06/21
ネタバレ:トキメキのあまり展開してしまう存在しない記憶たち
5
ロシアン妖怪どもが可愛い。春を呼ぶ話から死神への急転直下は悲しい…… 詰め込みすぎコラムは全部読んでないけども面白い2018/06/02