感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ユーカ
27
僕は校則もなく自由と平等が共存するユートピアみたいな高校に通学し、そこの生徒は当時ほとんど全員が地元を出て大学に行った。そして頻繁に集まっては「高校にもどりたい」と口ぐちに言った。僕は抱えているものが混沌としていて大きくて、自分のキャパを遥かに超えるものだったので、絶対にもどりたくないと思いながら頷き、安酒を呑んだ。「あの時、スゲー楽しかったねぇ」と言えるようになったのはつい最近のこと。そういう混沌を整理して紙の上に載せるという稀有なことをやってのけている、生臭くて、苦くて、美味い、ホヤみたいな４篇。2015/08/02
kanon
12
正直タイトルと表紙に惹かれた部分はあるが、これは一筋縄ではいかないな…面白いけれども。どうしようもなく変態な人間ばかりではあるが、どこかピュアさを感じる不思議。というかピュアなんだろう。やってることは相当なもんだが、ピュアッピュア。個人的には「女の穴」が一番好きかなと。非日常も相まって、世の中の無常を感じるけどね。だって先生ちゃっかりと告られたやつとも寝とるし…まあ一番キレイだったということで。2016/01/30
南
9
ずーっと気になっていたんですがついに手を出してしまった…。宇宙人美人女子高生、近親相姦、ゲイの中年教師に恋をした女子高生達のそれぞれの恋のお話。ドロドロしたえぐい話のはずなのにゆるくてふわっとした絵のお陰でさらっと読めます。特にゲイの中年教師に恋をした女子高生のお話「女の豚」「女の鬼」が強烈でした。先生のことが好きで好きで仕方ない萩本ちゃんの行動はどう考えても歪んでるのに気持ちはピュアで純粋なんだよなぁ…。先生も萩本ちゃんも幸せになってほしいな。2015/01/15
あさひ
8
タイトルからもっと"女の業"を感じさせるような痛い読み辛さがあるのかなと覚悟して読みましたが、そんなことはありませんでした。読後感は爽やか。漫画が上手です。コマの構成が良いのかなぁ？ 『女の鬼』の般若になって水面を渡るところとか、ゾクっとする美しさがありますね。女の子の体の線もプニプニした感じがあって可愛いです。2014/05/11
汚壌
7
ふみふみこさんは、絵は可愛いけど、淡々と、しかし人間の業とか生々しいエロス(愛憎)をジェンダーや人外、死を用いて描くイメージ。でも特にぐわっと来る感動はないかな。めめんともりは好きでした。ふみふみこさん嫌いじゃないですし注目作家ではあるのですが、少し違いますが高野文子が大好きなので、それと比べると物足りないよなぁ…と思ってしまいます。作画、イメージ構成、ストーリー、テーマの置き所などもう一押しあれば、レジェンドになりうる作家だと思うので、これからに期待しています。2014/05/03
