内容説明
“日本”という国のあり方をあの時代の国民はみな、真剣に考えたいた。敗戦で「自分の国の歴史認識」まで手放した過ち。戦前の日本を覆った「国体」論は何だったのか。
目次
第1章 『皇室と日本精神』(辻善之助)の現代性
第2章 『國體の本義』(山田孝雄)の哲学性
第3章 部数一七三万部『國體の本義』(文部省編)の光と影
第4章 国家主義者・田中智学の空想的一面
第5章 『國體眞義』(白鳥庫吉)の見識の高さ
第6章 一三〇万部のベストセラー『大義』(杉本五郎中佐)にみる真摯な人間像
第7章 戦後『大義の末』を書いた城山三郎は、夕暮れのキャンパスで「国体」を見た
第8章 太宰治が戦後にあえて書いた「天皇陛下万歳」を、GHQは検閲であらためて消した―溝口郁夫
著者等紹介
西尾幹二[ニシオカンジ]
昭和10年東京生まれ。東京大学文学部独文科卒、同大学院文学修士課程を修了、文学博士。電気通信大学名誉教授。評論家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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4
この刊は、国体明徴運動の流れに属する本を読み返すという本。対外関係はあまり出てこないので、著者の保守思想家としての顔よりも研究者としての職業倫理を反映した内容でそれほどイデオロギーに満ちてない。あまり取り上げられない歴史なので、かなり貴重な本。対外戦争をするなかで日本が守るべき大義なり軸を明確化していく運動が高揚した。保守思想とはプレモダンの心性を尊重することなのだろうか。取り上げられた著作郡は、紀記=神話に依拠した論理展開でそれはそれでかなり読ませるものがある。丸山真男の、生む、成る、作るという概念を用2016/01/21
じろう
0
チャンネル桜の放送かよ。杉本中佐の本はカルト狂気軍国主義者だろう。解説者もすげえなあ。城山三郎とか太宰治の章にとどめておけばいいのに。現在のネトウヨは中核に天皇がいないから、反中だけだもんね。上皇は戦後民主主義だし令和天皇はまだわからんとこあるけど、天皇のパラダイムと現在のネトウヨ思想が全く違うから。2022/12/06