出版社内容情報
デビュー作にして第17回中山義秀文学賞受賞を受賞した
直木賞作家・澤田瞳子の原点である奈良大河青春ロマン!
時は天平宝字。十四歳の高向斐麻呂は大学寮に入寮した。主の遣唐使・藤原清河を
唐に迎えに行くためだ。その陰には父を待つ娘・広子への思慕もあった。
紀寺の奴・赤土と偶然出会った斐麻呂は秘かに彼に学問を教えることになる。
儒学の基本理念である五常五倫を学び、国を支えるという理想を抱く若者たち。
だが看病禅師・道鏡を寵する阿倍上皇とそれを諫める藤原仲麻呂との対立が深まり、
斐麻呂らは不穏さを増す政に巻き込まれてゆく。
【主な登場人物】
高向斐麻呂(たかむくのいまろ)
藤原北家・藤原清河家に仕える少年。清河の娘・広子のために十四歳で大学寮に入る
藤原広子(ふじわらのひろこ)
遣唐使として唐に渡った藤原清河の一人娘。気が強く、自分の思いを貫く少女
赤土(あかつち)
紀寺の奴婢(奴隷)。自らを良戸(良民)と公言し直訴、後に紀朝臣益麻呂の名を賜る
佐伯上信(さえきのうわしな)
大学寮の学生。左馬寮の飼丁の息子。勉学より弓術に心が傾く
桑原雄依(くわはらのおより)
上信の親友。日向国出身。任官試験を受けずに大学寮に入り直した好学の徒
恵美押勝(えみのおしかつ)
清河の従兄。宮廷の権勢を掌握する実力者。学問奨励に力を尽くす。阿倍上皇と対立
阿倍上皇(あべじょうこう)
当代一の崇仏者として知られ、弓削道鏡を寵愛。儒教を重んじる押勝と次第に敵対する
内容説明
時は天平宝字。高向斐麻呂は大学寮に入寮した。己が仕える遣唐使藤原清河を唐に迎えに行くためだ。父を待つ娘・広子への思慕もあった。紀寺の奴・赤土と偶然出会った斐麻呂は彼に学問を教えることに。儒学の教えを学び、国を支えるという理想を抱く若者たち。だが看病禅師・道鏡を籠する阿倍上皇とそれを諌める藤原仲麻呂との対立が深まり、斐麻呂らは不穏さを増す政に巻き込まれてゆく。
著者等紹介
澤田瞳子[サワダトウコ]
1977年京都府生まれ。同志社大学文学部文化史学専攻卒業、同大学院博士前期課程修了。2011年、デビュー作『孤鷹の天』で第17回中山義秀文学賞を受賞。13年『満つる月の如し 仏師・定朝』で本屋が選ぶ時代小説大賞2012ならびに第32回新田次郎文学賞、16年『若冲』で第9回親鸞賞、20年『駆け入りの寺』で第14回舟橋聖一文学賞、21年『星落ちて、なお』で第165回直木賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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