出版社内容情報
天地を統べるは、
大いなる螺旋の力!!
蟲を操るのは北陸・金沢を支配する魔人・蛇紅。
武蔵が迫る刺客たちを斬るうちに見えてきた恐る
べき〈螺力〉という概念。天地を統べるそれを手
に入れるには、かつて織田信長ですら近づくこと
の出来なかった大螺王の存在が必要である。その
秘密を記した天台の『秘聞帖』が、金沢城の地下
にあるという……。読者を異界にひきずり込む、
巨匠渾身のノンストップ超伝奇ロマン、完結!
内容説明
蟲を操るのは北陸・金沢を支配する魔人・蛇紅。武蔵が迫る刺客たちを斬るうちに見えてきた恐るべき“螺力”という概念。天地を統べるそれを手に入れるには、かつて織田信長ですら近づくことの出来なかった大螺王の存在が必要である。その秘密を記した天台の『秘聞帖』が、金沢城の地下にあるという…。
著者等紹介
夢枕獏[ユメマクラバク]
1951年、神奈川県生まれ。東海大学文学部日本文学科卒業。77年、「カエルの死」で作家デビュー。多くの人気シリーズを持つ。89年、『上弦の月を喰べる獅子』で日本SF大賞を受賞。98年、『神々の山嶺』で柴田錬三郎賞を受賞。2011年『大江戸釣客伝』で泉鏡花文学賞を受賞。また同作で12年に吉川英治文学賞を受賞。17年に菊池寛賞、18年に日本ミステリー文学大賞を受賞。18年、紫綬褒章を受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tomomi Yazaki
18
両生類のように生命力の強い異形の集団、蛟族。まるで水族館に足を踏み入れたかのような奇妙な名前の者たち。その不死身とも思える彼らが螺力の使い手に惨殺された。無残にも、二度と甦らないように切り刻まれて。そして奴らに捕らわれた武蔵たち。彼らの目的は一体・・・。金沢を舞台とする、地球規模の壮大な物語は、どんな終焉を迎えるのか。読み終えて、改めて思う。夢枕獏の小説は劇画にすると、そして実写にすると、途端にその迫力がなくなる。小説は小説のままが良いのだ。それで良い。2022/11/07
Katsuto Yoshinaga
11
上巻に続き、バトルの連続ながら、本作のギミックである“螺旋”の魅力が書かれている。電子の回転、星雲、遺伝子、そして波は螺旋なのだそうだ。また、オウムガイは対数螺旋を形成し、殻の気房に年輪に似た筋を刻む不思議な生物らしい。このあたりは、創作でなければ、なかなか興味深い。そんなオウムガイが地震を起こしたりするというのはどうかと思うが、バトルものとしては、充分楽しめた。ただ、長尺ものが多い著者にしては短いのでは?ちょっと性急な感は否めなかった。まあ、面白かったけどね。2023/05/12
Porco
8
初刊本のあとがきで夢枕獏は言った「十五年の寿命を、ぼくにください」それにこう返そう「いやあと百年は生きて全ての未完結シリーズを完結させてくれ」 シリーズ次回作『混沌の帝国』とそのまた続編の構想はあるらしいのだが初刊から20年経った今音沙汰が無いという生殺しの状態だ。とても面白い上に内容を忘れても夢枕獏の今作含めた伝記アクション自体はスラスラ読める類のものでありそれ故再読も比較的容易いというのがとても苦しい。読者は座して続きを待つのみしかないのである。いやマジで早くこれの続きを出してください。2023/05/03
そうたそ
7
★★★☆☆ 感想は上巻にて。2022/12/05
すいそ・はいどろ
5
やはり、という感じの続く…でした。転章を最後にもっていって続くことを示唆するいつものやり方。病を得ても、獏さんは獏さんらしく物語に殉じる。考え様によっては、この姿はむしろすがすがしい。しかし、この次はあるのかなあ。楽しみに待ちましょう。2022/10/18