出版社内容情報
井川香四郎[イカワコウシロウ]
著・文・その他
内容説明
戦国時代の末期、天下を統一するため京都を目指す大名たちのなかで、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康が徐々に頭角を現していく。その頃、九州・薩摩では、鎌倉時代から続く島津家が、各地で争いに勝利し、九州の平定を目指していた。幕末の西郷隆盛ら薩摩藩士たちだけでなく、今も尚、鹿児島の人たちに愛され、尊敬される猛将、島津義弘と兄弟たちを描く長編歴史小説。
著者等紹介
井川香四郎[イカワコウシロウ]
1957年、愛媛県生まれ。中央大学卒業。柴山隆司の筆名で書いた時代小説『露の五郎兵衛』で、小説CLUB新人賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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すしな
39
102-24.日本の端っこにいるのに、歴史にたびたび登場する武将の島津氏については幕末なんかは主役としてフォーカスされると思いますが、戦国時代で島津主観で書かれたものはないのかな?と手に取ったのがこの本です。阿部寛的な義弘の表紙にあまり期待してなかったのですがいい意味で裏切られました。大友や龍造寺、さらには秀吉との戦もエキサイティングでしたが、鉄砲伝来した県であるにもかかわらず、キリシタン化せずに独自の国際感覚を持っていた部分に触れられており、トータルで島津家や九州の歴史を知るのに面白い本でした。2024/12/01
hiyu
4
その対照的な立場は少々厳しめで記載しているかどうかはわからないが、島津義弘を中心とした島津家の歴史である。勇将、猛将を数多く輩出した島津家の合戦の場面もよりリアルに感じられ、島津の退き口における豊久の場面など心をグッとつかまれた。2024/08/06
かずぺん
3
興味あった島津家の本が読めた。薩摩隼人として家を継続できたことが素晴らしいと思います。2022/12/20
茶幸才斎
2
雨降る夕暮れの薩摩妙円寺。かの島津義弘公の最期に殉じた家臣を祀る十三基の地蔵塔の前に佇む若者に、付近の野守と称する白髭の老人が語り始める。関ヶ原の戦で壊滅する西軍の只中で徳川陣中を突撃突破した義弘公の、海外交易に憧れる少年期を経て、岩剣城の初陣以降、幾多の戦功を重ね、豊後の大友宗麟や肥前の龍造寺隆信を退け、天下人豊臣秀吉の大軍勢と戦った武勇と、信義に篤い生き様を。子は大人を見て育つ。嘘やごまかしで保身を図る意気地のない大人の姿ばかり見せられて、次代の子らがまともに育つわけがないと、為政者は知るべきである。2022/10/07
Mマジパン
1
「三国志」という題名はなかなかうまいと思う。薩摩・大隅・日向の旧領統一戦から始まり、次に大友、竜造寺との三つ巴の戦い、日本統一戦での豊臣、徳川との駆け引き、最後は朝鮮と明が相手である。登場するキラ星のごとき英雄の中で、その圧倒的な強さを示したのはやはり島津軍団の武将たちであり、その中心として光芒を放つのは島津義弘である。彼の目から見た戦国時代の年代記は新鮮で面白かった。2023/09/20