出版社内容情報
祖母に頼まれた観劇代行のアルバイト。小さな事件が次々に起こり……。第13回エキナカ書店大賞受賞著者が贈る劇場型ミステリー
内容説明
職場でハラスメントを受け退職した岩居久澄は、心に鬱屈を抱えながら家事手伝いとして日々を過ごしていた。そんな彼女に観劇代行のアルバイトが舞い込む。祖母に感想を伝えるだけで五千円くれるという。歌舞伎、オペラ、演劇。初めての体験に戸惑いながらも、徐々に芝居の世界に魅了され、心が晴れていく久澄だったが―。私が行く芝居に必ず「親切な老紳士」がいるのは、なぜだろう?
著者等紹介
近藤史恵[コンドウフミエ]
1969年大阪府生まれ。1993年に『凍える島』で鮎川哲也賞を受賞し、デビュー。2008年『サクリファイス』で大藪春彦賞を受賞。著書多数。「ビストロ・パ・マル」シリーズは、「シェフは名探偵」として2021年5月に連続ドラマ化された(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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akky本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kazuko Ohta
99
私の劇場通いは主としてなんばグランド花月と祇園花月なのですが、この本を読むと、どちらも至近距離にある大阪松竹座と南座をスルーしとったらアカンやん私、と思うのでした。歌舞伎に限らず伝統芸能は決してとっつきにくいものではないということがわかるし、ミステリー要素もあって読みやすい。難しいという先入観を持たずに何でも観てみることで世界が広がるのだなぁと思えます。鬱々とした毎日を送っているときは新しいものに目が向かなかったりするけれど、そういうときこそ試し時かも。そもそも私が花月通いを始めたきっかけもそうですから。2025/01/10
涼
84
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2024/06/post-e7beff.html この紳士と祖母との関係など、判ってみれば「なーんだ」ということなのですが、久澄が少しずつ外へ出かけるきっかけになっていったのはよかったです。2024/06/18
相田うえお
76
★★★☆☆24039【歌舞伎座の怪紳士 (近藤史恵さん)】主人公久澄は心のトラブルで仕事に行けなくなり、彼女は家事,母親は仕事を担当して二人暮らししていました。そんなとき、離婚した父方の祖母から歌舞伎のチケットが送られてきて〜と話は始まります。はい!豊富な人生経験を積んで円熟味が増した方というのは、人に対する寄り添い方にも心の配慮や尊重が感じられ、人として素敵だなぁ〜と思います。彼女の祖母しのぶさんも歌舞伎で知り合った堀口という紳士もとても素敵な人でした。こんなふうに年齢を重ねていくのが理想だね。2024/04/14
りゅう☆
73
職場のパワハラで引きこもりになった久澄は祖母の依頼で観劇代行のアルバイトをすることに。歌舞伎、オペラ、演劇。一人で初めての敷居の高さに共感。そして毎回ある老紳士と出会う。歌舞伎の世界を知りながら、誰かがペットボトルをすり替えたり、交換した席で写真撮られたりなどちょっとした事件を老紳士と解決したり。友達と口論したり、姉の悩みを知ってしまったり。老紳士と言葉を交わすことで、芝居が好きになるにつれて久澄の閉ざされた心が開いていく様子に心温まる。老紳士と祖母の繋がり、久澄の今後、祖母との関係などハピエンが嬉しい。2023/08/05
NAO
66
セクハラと嫌がらせで心を病み家から出るのも辛いほどだった主人公が祖母の代わりに歌舞伎座に行き、そのたびに、いつも同じ紳士を見かける。それだけでなく、なぜか、不思議な事件に巻き込まれてしまう。祖母は、なぜ主人公にチケットをくれるのか。いつも出会う紳士は何者なのか。生きるのが苦しいのは、主人公だけでなかった。何も苦労などないような姉も、彼がいる友人も、密かに悩みを抱えている。そして、祖母にも、誰にも言わずにいた秘密があった。歌舞伎座に行くたびに、自分を取り戻していく主人公を応援したくなる。お姉さんも。2023/01/17
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