出版社内容情報
古道具が明かす縁の物語。
目利きの江戸職人の男っぷりが光る。
山本一力、絶品の人情小説!
建て替え普請のため、家屋を壊すのが生業の「伊豆晋」のかしら・晋平は古道具の目利き。大火に見舞われた江戸で、大店の旦那衆から焼け崩れた十八もの蔵を短期間で取り壊すよう頼まれる。次々と起きる厄介事にもひるまず、決して逃げることなく、時には古道具好きの旦那衆の助けを借りて難局を切り開いてゆく。晋平とその配下の男たちの職人仕事は緻密にして清々しく、古道具を通して浮かび上がる人の情と縁は読む者の心をしっとりとほぐしてくれる。
内容説明
大火に見舞われた江戸尾張町。焼け残った土蔵の取り壊しに難儀した肝煎衆五人組は、深川“伊豆晋”のかしら、晋平を訪ねる。建替え普請のため家屋を壊す「壊し屋」を生業とし、荒くれ男たちを束ねる晋平。その度量の大きさに加えて、蔵から出る古道具への目利きにも優れる。所蔵品にまつわる深い因縁と、職人たちのほれぼれする江戸気質を、名人が情緒あふれる筆致で綴る時代人情小説。
著者等紹介
山本一力[ヤマモトイチリキ]
1948年高知市生まれ。都立世田谷工業高校卒業後、旅行代理店、広告制作会社勤務を経て、97年『蒼龍』で第77回オール讀物新人賞を受賞してデビュー。2002年に『あかね空』で第126回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ドナルド@灯れ松明の火
16
何回も言っていたが、少しはましかなと思って読んだがやっぱりクソだった。山本さんはこんなプロット・文章でいいと思っているのか。相変わらず「地べた」多用で語彙が増えない。昔は期待していたのだが池波さんの真似はすれども、足元にも及ばないということを自覚して欲しい。 お粗末2021/06/26
Syo
14
素晴らしい2023/12/11
jima
6
家屋を壊すのが生業の「伊豆晋」のかしら・晋平。2023/08/23
Naoko Fukumi Fujita
1
一番好きな作家の文庫本、巻末の縄田一男解説によると2002年4月から2009年3月まで「問題小説」に断続的に連載され、2009年4月徳間書店から刊行とある。2012年2月徳間文庫より刊行、この度新装版として2021年6月発行。5つのお話が連作となっており、ハードボイルド小説であると感じた。今回は猫よりも犬、そして鳩が重要な登場動物。リズム感がよく、読みやすいけれど最終章の「砂糖壺」に晋平のロマンを覚えた。2021/07/18
TK
0
江戸の職人シリーズ。当時の仕事ぶりが伺えて面白い。ただ物語は他の著書と比べるとなんだかサラッとした感じ。2021/10/28