出版社内容情報
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ドラマ化され話題を呼んだ
前代未聞の警察小説、待望の文庫化!
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【あらすじ】
W県警の熊倉警部が遺体となって発見された。
彼に極秘任務を与えていた監察官の松永菜穂子は
動揺を隠せない。
県警初の女性警視昇任はあくまで通過点。
より上を目指し、この腐った組織を改革する。
その矢先の出来事だったのだ。
「極秘」部分が明るみに出て
内容説明
W県警の熊倉警部が遺体となって発見された。彼に極秘任務を与えていた監察官の松永菜穂子は動揺を隠せない。県警初の女性警視昇任はあくまで通過点。より上を目指し、この腐った組織を改革する。その矢先の出来事だった。「極秘」部分が明るみに出ては県警を揺るがす一大事だ。事故として処理し事件を隠蔽できないものか。そんな菜穂子の前に警部の娘が現れ、父の思い出を語り始めた―。
著者等紹介
葉真中顕[ハマナカアキ]
1976年東京都生まれ。2013年、『ロスト・ケア』で第16回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞しデビュー。2019年、『凍てつく太陽』で第21回大藪春彦賞、第72回日本推理作家協会賞長編および連作短編集部門受賞。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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麦ちゃんの下僕
200
W県警の女性警察官たちを主人公にした、全6話から成る連作短編集。葉真中さんの単著は初めてですが…これは期待以上に面白かったです!タイトルは夏樹静子さんの『Wの悲劇』から取られているそうですが…いろんな意味で若竹七海さんの『殺人鬼がもう一人』と印象が似ていて、より一層“どんでん返し”に重点が置かれた感じでしょうか!? 特に「交換日記」はやられましたね…これほど見事に一本背負いをくらったのは、歌野晶午さんの『葉桜~』以来ですよ(笑) 「ガサ入れの朝」「消えた少女」は見抜けましたが、それでも面白かったです♪︎2022/07/01
とん大西
122
これ、これです。サクサク読めていい塩梅のどんでん返し。男尊女卑が色濃く残るW県警。その管内で頻発する事件事故。東奔西走するのは女性監察官松永、刑事の鑑である熊倉の娘・清、現場復帰したママ刑事ら淑女でしたたかな面々。彼女たちの活躍暗躍がブラックな悲喜劇へといざなう連作短編。それぞれの話しもビリッとしてるうえ、全体の収まり感も程好し。お気に入りは『交換日記』。まんまと騙されましたゎ(^^)2023/04/02
オーウェン
82
W県警で起きる事件。 それに立ち向かう女婦警の活躍を描く6篇の連作集。 1話目から強烈などんでん返しが襲ってくる。 以降もトリックが仕込まれている話だったり、真相が180度変わるような類いまで。 冒頭とラストの話は特に繋がっており、2段構えのオチが待っていてまさかの展開に。 このために女性が主役というのが意味を持ち、警察組織の女性の採用率が上がる理由も知れてしまう。2022/07/05
アッシュ姉
81
最終話の衝撃ったら、ちょっと奥さん!読んでみて~!2022/08/16
タツ フカガワ
80
W県警の女性警察官、おもに女性刑事たちの目を通して描かれる6話の連作。読む側の思い込みを逆手に取るような叙述トリック「交換日記」や「ガサ入れの朝」、W県警初の女性警視が絡む「洞の奥」「消えた少女」など、どれも苦い余韻の作品が多い。なかで神父が犯した殺人の真相を突き止める主婦刑事の「破戒」が印象に残りました。2022/09/04