出版社内容情報
夭折の天才作家・北森鴻が精魂を傾けて書いた古美術ミステリー。シリーズ第2弾。
内容説明
骨董の競り市で落札した二面の青銅鏡。そのうちの一面が、謎に満ちた三角縁神獣鏡にすり替えられていた。骨董商という立場を忘れ魔鏡に魅入られた陶子だったが、盗品だと分かり真の所有者に返すことに。しかし、彼女に魔の手が。絵画の贋作作りの疑いをかけられ、骨董業者の鑑札を剥奪されてしまう。狡猾な罠を仕掛けたのは誰?満身創痍で調査を進めると、歴史の闇が隠れていた…。手に汗握る古美術×歴史ミステリー。
著者等紹介
北森鴻[キタモリコウ]
1961年山口県生まれ。駒澤大学文学部歴史学科卒業。編集プロダクション勤務を経て、95年『狂乱廿四孝』で第6回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。99年『花の下にて春死なむ』で第52回日本推理作家協会賞(短編および連作短編集部門)を受賞。2010年1月逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
110
冬狐堂シリーズ2作目の長編です。蓮杖那智シリーズの「双死面」を読んだばかりだったのでそのつながりがわかりました。顧客の依頼で二つの青銅鏡を競り落としたものの最初からケチがついていたような感じで、送られてきた一つは異なる鏡が入っています。そこから事件が進展し、蓮杖那智との関連や「雅蘭堂」の主人が出てきたり、あるいは三軒茶屋のビヤバーが出てきたりオールスターのような気がしました。2023/07/17
五右衛門
56
読了。旗師冬狐堂シリーズ第2弾。陶子さん、やはり事件に巻き込まれるのが宿命ですな。しかも今回も壮大な謎解きミステリー仕立てでやられっぱなしで終わらない。必ず最期はギャフン(死語?)と言わせてくれるぞ。と期待しながら読み進めました。最期はやっぱりやってくれました。しかも北森作品は他シリーズと絡みがあり他作品も目が離せません❗まだ少し追いかけます。2022/01/13
森オサム
45
冬孤堂シリーズ2作目。今作は、序盤から主人公に次々襲い掛かる試練に緊張感が増し、どうやって対抗して行くのか読みごたえが有りました。徐々に味方が集まって来て、チーム陶子結成、さあ反撃開始だ!、とはなるのですが…。終盤はすっかり歴史ミステリーとなり、少々期待した感じとは違ってしまったかな。風呂敷は大きな方が広げ甲斐が有るのでしょうが、大きすぎませんか?、コン・ゲームに徹して欲しかったと言うのが正直な所でした。一番困ったのは、蓮丈那智シリーズには手を出さないつもりだったのに、読みたくなってしまった事です(笑)。2022/04/25
geshi
33
前半、宇佐美陶子が青銅鏡手にしたことをきっかけに徹底的に傷つき落されて、巨大な陰謀を相手に仲間の協力を得ながら立ち向かう基本線は面白そうだったけど、ラストに期待したほどの爆発力がない。これだけやられたなら敵に「ぐぬぬ」と言わせるぐらいの「ざまぁ」があった方が良かった。直接対決のために仕込んだ切り札も後出しジャンケンのように見えてしまう。三角縁神獣鏡にまつわる歴史の闇は壮大で面白いものだけど、殺人に結びつくには距離がある。著者のもう一人の探偵・蓮丈那智が出てきたのに活かしきれていない印象。2021/04/19
そうぺい
25
初読。シリーズ2。何だかんだいって面白い。が、凄い展開ww陰謀論を絡めての最早、骨董の話どころではなく、壮大な国家絡みに。日本にもそんな組織や部隊があるのでは?と錯覚w何故か『スプリガン』を思い出した…しかしまあ、良く人が死にますよね。骨董、遺物を愛する者は器物>人間なので不思議はないですけど、フィクションとは言え悪イメージしか与えないのではwとは言えミステリとしても、歴史陰謀ものとしてもおお、ここからどうなっていくのか?と期待したくなるので良いのですかね?愛深き故に人は苦しむのか…ww2021/03/05